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新タイプの高校における成果検証検討委員会報告概要

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最終更新日:平成19年(2007)4月26日

教育庁

総合学科タイプ 

対象校:晴海・つばさ

成果

  • 総合学科の中心科目である「産業社会と人間」、「情報」、「総合的な学習の時間」(課題研究等)の系統的履修は、生徒の進路選択、プレゼン能力に役立っている。
  • 「将来の進路を真剣に考えるようになった」、「キャリア教育・進路指導が充実している」と考える在校生が7割以上。
  • 全日制普通科高校に比較して、中途退学率が低く推移。
  • 生徒の「総合選択科目」の履修が適切にできるよう前年に授業見学等を工夫。
  • キャリアカウンセラーが、生徒、教員及び保護者等に適切な情報提供を行うとともに、きめ細かいカウンセリングを実施。

課題と今後の方向性

課題
  • 「産業社会と人間」等、総合学科の中心科目の意義の理解が、異動してきた教員に不十分。また、総合学科内でもノウハウ共有化が不十分。
  • 選択者の少ない総合選択科目が存在。
  • キャリアカウンセラーの重要性の理解が不十分。
今後の方向性
  • 総合学科の中心科目の校内研修や実践研究会を設け、ノウハウを共有化。
  • 少人数科目で、選択者を確保する取組を実施。科目選択者の動向により「系列」等の改善・統合を行い、学校の特色化を進める。
  • 工業系等専門科目では、魅力ある科目設定や、1年次での体験履修等が有効。
  • 相談業務に主にあたる教員を学校でキャリアカウンセラーに位置づけるとともに、校内研修や実践研究会を設け、人材を育成。
  • 特色化を進めるとともに、母体校の専門教育等を有効に活用してキャリア教育を充実。

進学型専門タイプ

対象校:科学技術

成果

  • 生徒の特性や進路希望に対応する多様な専門科目を設定し、生徒は自らの進路実現に向け選択。
  • 専門科目は基礎・基本から応用へと科目編成され、学校の特色である理論→実験→研究の3ステップ学習で教育課程を編成。
  • 生徒は課題研究の成果をもとにAO入試等の多様な選抜制度を活用して国公立大学や私立大学の理工系・薬学系学部等への進学を目指しており、大学等への進学実績は着実に伸びている。
  • 平成19年度に文部科学省からSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の指定を受けた。

課題と今後の方向性

課題
  • 学校設定科目「科学技術と人間」は、役立っていないとの評価。
  • 生徒は今以上に、実験・実習など体験的学習の充実を希望。
  • 短期集中講座等に対する生徒と教員の意識に乖離。
  • 企業等との連携が不十分。
  • キャリア教育の不足。
  • 専攻科への進学者の大幅な定員割れ。
今後の方向性
  • 「科学技術と人間」は、授業内容の見直しや外部講師の招聘など科学技術への興味・関心を啓発できる科目とする。
  • 充実した施設設備を十分に活用した実践的・体験的学習に重点を置いた専門高校の良さを発揮できる指導内容等の工夫・改善。
  • 基礎力充実、応用力養成、資格取得など学力や技術の向上に有効である短期集中講座を充実。
  • 企業等と連携を検討。
  • キャリア教育の充実。
  • 専攻科については、存廃を含めたあり方を検討。

対象校:千早

成果

  • 必修24単位の英語科目、選択科目に英語表現など英語を重視した教育課程編成。
  • 平成18年度から文科省の英語教育研究開発校(SELHi)に指定。
  • 実用英語検定、日商簿記検定等の資格取得による大学進学等を目指す。
  • ウェールズ大学等海外4大学との連携プログラムによる指定校推薦入学や通信英語教育プログラム等を導入し、生徒が進学。

課題と今後の方向性

課題
  • 資格取得等によるAO入試等の多様な選抜制度を活用した大学等への進学希望に対応する必要。
  • ビジネスと英語の融合を図る教育プログラムの導入についての検討・実施。
  • 国内外大学との連携推進。
  • 企業やNPOとの連携強化。
今後の方向性
  • 専門科目を活かした大学等への進学実現に向け、簿記・会計関連資格取得講座等の充実。
  • ビジネスと英語の融合を図る教育プログラムの導入について早期に検討、実施。
  • 専門高校としての特色を活かした企業、NPOとの連携の強化。
  • 海外大学との連携プログラムによる推薦入学等国際的に活躍できるスペシャリスト育成の進学型専門高校をより明確に打ち出す。

単位制普通科タイプ

対象校:飛鳥・芦花

成果

  • 「自分の興味・関心に応じた科目が充実している」と考える生徒が8割以上。
  • 1年次は基礎・基本の徹底を図るため、芸術等の教科を除いては必履修科目を設置。
  • 2年次からは進路や個性に合わせて自由選択科目が選択でき、3年次では20単位以上の選択が可能。
  • クラス担任と連携しながら、キャリアガイダンス部を中心とした全校的な履修指導の実施。
  • 教員がシラバス(履修の手引き)を作成し、シラバスに合った履修パターンを生徒に示し、履修指導を実施。

課題と今後の方向性

課題
  • 応募倍率(一次)の伸び悩み。
  • 生徒の自主性の尊重が放任主義と混同されるなど、保護者等の単位制高校への理解が不十分。
  • 進路未決定者が20%以上存在。
  • 幅広く自分の将来について考えさせる進路指導の強化の必要性。
今後の方向性
  • 進路決定率の上昇を図るため、教員の資質能力・授業力の向上策や生徒の基礎・基本的な学習能力の定着策の実施。
  • キャリアカウンセリング機能の強化を図るため、進路指導に長けた人材の確保・育成策の推進や必要な支援策の実施。
  • 学校の特色化の推進を図るため、単位制のメリットを最大限に活かす新たなシステムの検討。

単位制進学重視型タイプ

対象校:墨田川・新宿・国分寺

成果

  • 1、2年次は必履修科目中心の教育課程により、基礎・基本的学力の充実とその確実な定着の推進。
  • 3年次は選択科目中心で生徒は自己の進路に必要な科目を選択することで、学力アップが可能である。
  • 大学進学実績は各校とも伸びているが、特に3校中1校は国公立大学や難関私立大学を含む進学実績が上昇。

課題と今後の方向性

課題
  • 国公立大学や難関大学等への進学実績で3校間に差異があり。
  • 国公立大学や難関大学等への進学に対応できる更なる授業の充実。
  • 発展系科目を選択する者が少なく、設置科目数、設置科目の内容等について、検討の必要あり。
今後の方向性
  • 少人数授業やセンター試験等に対応した授業の充実を図り、進学実績の積み上げを図る。
  • 進学実績等を判断し、進学指導レベルアップ校(仮称)移行への仕組みづくりを検討。
  • 発展系選択科目の設定科目数・内容等を精選し、学力アップに重点を置いた科目として再構築。

単位制チャレンジタイプ

対象校:桐ヶ丘・世田谷泉

成果

  • 基礎・基本の段階からつまずいている生徒が多く、基礎・基本からの学び直しは不可欠。
  • 人間関係が不得手な生徒が多く、少人数指導は学習効果を高めるのに適当。
  • 三部制や三修制は、生徒の様々なニーズや生活スタイルに合致。
  • キャリア教育は極めて重要で、進路決定率の向上に寄与。
  • 対人関係の不得手な生徒が多く、スクールカウンセラーは必要不可欠。不登校や中途退学者が多く、相談件数も内容も重い。養護教諭の存在も非常に重要。
  • 特別支援教育の研究指定校として教員の生徒理解が深化。

課題と今後の方向性

課題
  • 入学者選抜では学力検査がなく、学習意欲のない者が受検することも想定。
  • 少人数指導においても、学力レベルの個人差が大きい。
  • 進路決定率のさらなる向上。
  • 三部制や三修制においては、選択科目の配置や部活動運営等、学校運営上困難が多い。
  • 教員の資質向上が課題。
今後の方向性

現在の枠組は今後も維持・継続していくことが必要。そのうえで課題解決を図る。

  • 入学者選抜では真に再チャレンジの意欲のある生徒を見極めていくことが必要。
  • 少人数指導では、補助教材を有効に使い学力レベルの個人差への対応を図る。
  • 生徒の学校定着を図り、進路指導につなげるため、科目履修指導を徹底。
  • 三部制や三修制においては、選択科目や教員の確保等、学校運営の円滑化が必要。
  • 教員の資質向上のため、校内研修等を充実。

既存校進学指導重点校タイプ

対象校:日比谷・戸山・西・八王子東・青山・立川・国立

成果

  • 難関国公立大学の現役合格実績(平成17~19年入試の平均)は、指定前と比較して日比谷、戸山、西、八王子東の合計で46%増加。難関私立大学の現役合格実績も同様に向上。
  • 青山、立川、国立高校の国公立大学全体の現役合格実績(平成18~19年入試の平均)は、指定前と比較して56%増加。
  • 進路指導部を中心とした組織的で計画的な進学指導が定着しつつある。

課題と今後の方向性

課題
  • 入学時からのキャリア教育の計画的な推進が一層求められている。
  • 合格実績に差があり、入学時からの学力から更なる合格実績の向上も期待されている。
  • 基礎学力だけではなく、幅広い教養やコミュニケーション能力、課題解決能力の向上が求められている。
  • 教員の進学指導力の向上が一層必要。
今後の方向性
  • 生徒に幅広い教養やコミュニケーション能力等を身に付けさせ、知、徳、体のバランスのとれた人格形成と自己実現に向けて教育活動の一層の改善・充実を図る。
  • 各校の実情に応じて、平成24年度までの難関国公立大学合格目標を、現在の1.3倍~2倍程度に設定する。
  • 各校の特色を生かしたキャリア教育を一層充実させていく。
  • 人材育成の仕組を確立するとともに、進路部を中心に、入学から卒業に至るまでの進学データやノウハウの蓄積を行う。

既存校エンカレッジタイプ

対象校:足立東・秋留台

成果

  • 基礎・基本からの学び直し、習熟度別授業は学習効果を増進。
  • 定期考査を実施せず、小テストを実施していることや30分授業も有効に機能。
  • 体験学習やボランティア活動は学校全体を活性化させ、地域との交流に結実。
  • キャリア教育は極めて重要で、進路決定率の向上に寄与。
  • 2人担任制は生徒を複数の目で見るという点で有意義。
  • スクールカウンセラーは、生活指導の要。生徒の相談内容も重く、専門家の配置は不可欠。

課題と今後の方向性

課題
  • 入学者選抜では学力検査がなく、学習意欲のない者が受検することも想定。
  • 定期考査を実施しないことが、競争社会に耐えうる人材育成につながるか懸念。
  • 体験学習が、進路指導に結びついていくか懸念。
  • スクールカウンセラーの配置に予算上の限界。
  • 教員の資質向上が課題。
今後の方向性

現在の枠組は今後も維持・継続していくことが必要。そのうえで課題解決を図る。

  • 入学者選抜では真に基礎・基本の学びを必要とする生徒を見極めていくことが必要。
  • 競争社会に耐えうる人材育成の観点から、定期考査の実施が必要か、社会人としての基礎を試す試験等を検討。
  • 体験的な学習が進路指導に結びつくよう内容を精査・検証。
  • スクールカウンセラーの配置を補うため、養護教諭・担任の連携により生徒の相談体制の一層の充実化。
  • 教員の資質向上のため、校内研修等を充実。

既存校タイプ

対象校:進学指導重点校に次ぐ学校

成果

  • 進学指導研究協議会参加校の教員を中心に教科等研修会を設置。
  • 研修会では、大学入試問題の分析、授業研究、予備校教師による模擬授業を実施。
  • 参加校総体で進学実績向上の傾向。

課題と今後の方向性

課題
  • 生徒の進学希望に十分に応えているといえない状況。
  • 都民意識調査では、難関大学等への進学を目指す学校があと10校程度必要との回答が多い。
今後の方向性
  • 進学指導研究協議会参加校の中から、「進学指導レベルアップ校」(仮称)を19年度中に数校選定。
  • 選定された学校では、6年程度の期間を定め、その間に国公立大学等の合格実績を1.3倍以上とする目標を設定。
  • 協議会参加校のうち「進学指導レベルアップ校」に選定されなかった学校を「進学指導推進校」(仮称)に位置付け、進学実績の向上を目指す取組を強化。

対象校:キャリア教育の推進

成果

  • 平成17年度以降「キャリア教育全体計画」を都立高校全校で策定。
  • 都教委は、キャリア教育研究協議会や、キャリアアドバイザー派遣事業、インターンシップ応援事業、キャリア教育推進フォーラム、都立高校キャリア教育実施連絡会・連絡協議会などを実施し、キャリア教育を支援。
  • キャリア教育を系統的・計画的に行っている学校では、生徒の進路に対する意識が高まり、学習への主体的な取組が見られるなどの効果が上がっている。
  • 総合的な学習の時間を、キャリア教育の中核として教育課程に位置づけた学校では、進路未決定率が減少している。
  • インターンシップに取り組む都立高校は、平成17年度時点で205校中115校に拡大。

課題と今後の方向性

課題
  • キャリア教育に先進的に取り組む学校が現れてきた一方で、学校行事としての位置づけにとどまるなど、学校全体としてのキャリア教育計画が確立していない学校も多い。
今後の方向性
  • キャリア教育の視点から学校における教育活動全体を整理して教育課程に位置づけていく系統的・計画的な取組が必要。
  • それぞれの校種に応じた効果的なキャリア教育を各校で取り組むことが必要。
  • 現在キャリア教育を推進している学校の中から「キャリア教育推進校」(仮称)を指定し、都教委として支援をし、その実践を他校で活用できるよう指針をまとめるなどの具体的な取組の実施。

新しいタイプの高校における成果検証検討委員会報告書PDF [2.9MB]

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