公開日:平成23年(2011)1月31日
最終更新日:平成23年(2011)1月31日
平成22年4月20日に実施した「全国学力・学習状況調査」の結果から、東京の子供たちの学力に関する課題が明らかになりました。
「平成22年度全国学力・学習状況調査」(平成22年4月20日実施)
国語B(活用)問題
中島さんは、どの目覚まし時計を選べばよいでしょうか?
A・B・Cの中から一つ選んで、その目覚まし時計を選ぶ理由を、【資料】の情報と【決めたこと】の内容のどちらにもふれながら、書き出しの文(「選ぶ目覚まし時計は・・です。理由は・・・」)に続けて、60字以上、80字以内にまとめて書きましょう。
【決めたこと】
【資料】
(「平成22年度全国学力・学習状況調査報告書」(東京都教育委員会作成)から)
複数の資料を比べて、資料の内容と決めた条件とを関連付けながら、理由を明確にして説明する問題です。
この問題は、東京の小学校6年生の児童の、およそ3人に1人の児童が正しく回答できませんでした。
問題に示されている条件を踏まえて、複数の情報を比較・検討し、説明することができなかったためと考えられます。
【決めたこと】
【答えの書き方】
【資料】
「この問題に解答するときの条件を、先生はこのように整理してみました。どのように解答したらよいのか、これからみんなで考えていきましょう。」
時計A | 時計B | 時計C | |
---|---|---|---|
目覚まし音 (特徴1) |
おはよう | 5種類の音楽 | 好きな音楽 |
特徴2 | 時計の針が光る | 「午前」「午後」の表示 | 日付表示が出る |
価格 | 3,150円 | 5,250円 | 4,200円 |
「表にしてみると、それぞれの時計を比べやすくなるんだ!問題を読むだけより、このほうが分かりやすいね。」
「「決めたこと」が二つありますね。「決めたこと」と、実際の時計の情報を比べると、どのようになりますか?表の中の「決めたこと」に合わないものに印を付けていきましょう。」
「音楽で目覚めることができる時計がほしいのだから、Aの時計は違います。」
「時計Bは音楽が流れるけれど、5,000円より高いから、これも「決めたこと」と違います。」
「これで、どの時計が、「決めたこと」と合っているかが分かりましたね。
それでは、答えを書くときには、どのようなことに気を付けるといいですか?」
「「答えの書き方」をしっかりと守って書くことです。」
「みんな、どのような答えを書きましたか?どのようなことに気を付けるといいかを思い出しながら、友だちどうしで作文を見直してみましょう。」
「「決めたこと」の両方にふれているか、確かめよう。」
「書き出しも決まっているから、そこも見ないといけないね。」
「それでは、みんなの書いた答えの中から、いくつか発表をしてもらいます。見直すポイントを考えながら、友だちの答えを一緒に考えて、授業のまとめをしていきます。」
学力の基礎となるこれらの能力を、「読み解く力」としています。
東京の子供たちの生活習慣や学習環境等の調査により、子供たちの基本的な学習習慣の確立と学力の向上との間には、密接な関係があることが分かっています。毎日の生活の中で、基本的な学習習慣を身に付けましょう。
必要な情報を得るために本や新聞を読み、学習したことを活用しようとしている児童の方が、活用しようとしない児童よりも正答率が高いということが分かっています。
東京都では、新聞やテレビのニュースに関心を持っている児童の割合は、全国平均よりも高い71.6%となっています。色々なことに関心を持ち、様々な方法で情報に触れる習慣を作りましょう。
国語 平均正答率 |
算数 平均正答率 |
|
---|---|---|
している たいていしている |
84.8% | 75.4% |
しないことが多い しない |
79.7% | 69.0% |
疑問に思ったことを自分で調べようとしたり、調べるに当たって調べ方やまとめ方などの計画を立てている児童の方が、これらを行わない児童よりも正答率が高いということが分かっています。
また、読書習慣がある児童や、自分を根気強いほうだと思っている児童は、そうでないと思っている児童よりも高い正答率となっています。
分からないことをそのままにしないで、自分なりに考えたり調べたりすることを心がけましょう。
国語 平均正答率 |
算数 平均正答率 |
|
---|---|---|
している たいていしている |
84.7% | 75.6% |
しないことが多い しない |
79.1% | 67.7% |
「平成21年度児童・生徒の学力向上を図るための調査報告書」(東京都教育委員会作成)から
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