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とうきょうの教育 第101号 小学校版 新年のご挨拶

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公開日:平成26年(2014)1月31日
最終更新日:平成26年(2014)1月31日

とうきょうの教育 第101号 小学校版

平成26年1月

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

東京都教育委員会は、第3次東京都教育ビジョンの重要な項目として子供たちの学力の向上を掲げ、様々な施策を打ち出し、これを実行しております。昨年は4年振りに国による悉皆(しっかいの「全国学力・学習状況調査」が実施され、8月27日にその結果が、文部科学省から発表されました。

それによりますと、小学校については、前回の悉皆(しっかい調査である平成21年度の調査結果と同じく、国語A、B、算数A、Bいずれにおいても、東京都の子供たちの成績は、全国平均を上回っています。

一方、中学校については、平成21年度の調査では、全国平均が、国語A 77.0点、国語B 74.5点、数学A 62.7点、数学B 56.9点であったのに対し、東京都は、それぞれ、77.0点、73.8点、62.6点、56.8点と、国語A以外の3科目で、全国平均以下となっていました。ところが、今年の調査では、東京都は全てにおいて全国平均を上回りました。

なぜ、このような結果が出たのかを明らかにするため、現在詳細な分析を行っているところですが、一言で言えば、ここ数年東京都教育委員会が推進してきた様々な施策が、統合的効果を上げ始めたためではないかということです。例えば、中学校を対象とする質問紙調査では、「習熟度に合わせた教材を用いている学校」や「放課後を利用した補充的な学習サポートを実施している学校」の割合が、平成21年度の調査と比較して増加していることが、明らかになっています。

しかし、いまだ問題は残っています。例えば、東京都の中学生に対する調査結果ですが、「家で、テストで間違えた問題について勉強していますか」という問いに対し、「している」と答えた生徒の正答率は71.4%、「全くしていない」と答えた生徒の正答率は58.2%と、大きな差が出ています。要は、復習がいかに重要かということです。ちなみに、上記の質問に対して、成績上位県の生徒で「している」と答えた生徒の割合は24.4%であるのに対し、東京都では10.3%、「全くしていない」と答えた割合は、成績上位県6.6%に対し、東京都24.9%となっています。この状況が、例えば、数学Bの全16問のうち何問正解したのか、その人数の割合を示したグラフに如実に現れています。成績上位県では、分布がかなり正規分布に近くなっていますが、東京都の場合には、正答数の少ない側が高くなった(ゆがんだ分布となっています。成績上位県では、16問中、正答数7、8問の子供たちの割合が9%近くで最も高くなっていますが、東京都では、正答数2~4問のところが最も高く7.5%に達しています。つまり、東京都は、成績上位県に比べて下位層が多いということが明らかになっているのです。

東京都教育委員会では、このような調査結果を踏まえ、子供たちが基礎的な学力を確実に習得できるよう、個々の学習状況に応じて前の学年に立ち戻る指導を徹底するなど、効果的な習熟度別指導を全都的に展開するため、小学校における指導体制の充実を図ります。

学力向上については、やっとその第一歩を踏み出したばかりです。この大きなゴールに向けて、皆様の特段のご理解とご協力をお願い申し上げる次第です。

 

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