最終更新日:平成22年(2010)6月24日
東京都教育委員会は、学習指導要領に示された国語及び算数・数学の目標や内容の定着状況を把握し、それを指導方法の改善に結び付けることにより「確かな学力」の一層の定着に生かすことを目的として、平成22年1月に実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を報告書にまとめましたので、お知らせします。
「確かな学力」の定着を図るための調査〈基礎的・基本的な事項に関する調査、学習に関する意識調査〉
実施数 | (参考)平成20年度実施数 | |
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学校数 | 558校 | 504校 |
児童数 | 37,597名(全第4学年児童数の約40%) | 34,629名(全第4学年児童数の約37%) |
実施数 | (参考)平成20年度実施数 | |
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学校数 | 288校 | 259校 |
生徒数 | 32,788名(全第1学年生徒数の約44%) | 27,625名(全第1学年生徒数の約38%) |
質問紙調査票 | 調査内容 | |
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学力調査 | ペーパーテスト形式 | 国語、算数・数学の基礎的・基本的な事項 |
意識調査 | 質問紙形式 | 学習意欲、学習方法、生活環境等 |
平成22年1月15日(金曜日) 〈基礎的・基本的な事項に関する調査〉〈学習に関する意識調査〉
小学校4年 | 中学校1年 | ||||
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国語 | 算数 | 国語 | 算数 | 数学 | |
都全体の平均正答率 | 82.3% | 72.3% | 73.1% | 69.2% | 56.5% |
基礎的・基本的な事項については、おおむね定着しているが、個々の事項をみると、読み解く力など改善すべき課題があり、さらに確実な習得を図る必要がある。
「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」との関連を示す。
「文字(漢字)」についての段階的な指導 p.27
「文のつくり」についての段階的な指導 p.24
「文章のつくり」についての段階的な指導 p.25、「大体の意味をとらえる力」を育てる段階的な指導 p.21
「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」との関連を示す。
「分数」の段階的な指導 p.67
「割合の見方」を育てる段階的な指導 p.77
「式の意味の読み」の段階的な指導p.78、「文字を含む式の計算」の段階的な指導 p.69
授業の内容が「分かる・どちらかといえば分かる」と回答した割合(小5)
授業内容が「分かる・どちらかといえば分かる」と回答した割合(中2)
必要な情報を得るために本や新聞を読むように「している・たいていしている」と回答した割合(小5・中2)
読書を毎日30分以上「している」と回答した割合(小5・中2)
学年教科 | 小学校4年 | 中学校1年 | ||
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選択肢 | 国語 | 算数 | 国語 | 数学 |
している | 86.8% | 77.9% | 78.6% | 69.3% |
たいていしている | 83.7% | 74.0% | 75.5% | 66.2% |
しないことが多い | 80.8% | 70.4% | 72.1% | 63.4% |
しない | 75.9% | 64.6% | 66.9% | 58.3% |
学年教科 | 小学校4年 | 中学校1年 | ||
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選択肢 | 国語 | 算数 | 国語 | 数学 |
2時間以上 | 87.6% | 77.5% | 78.0% | 66.0% |
1時間~2時間未満 | 88.4% | 79.2% | 78.0% | 67.6% |
30分~1時間未満 | 86.3% | 76.7% | 76.3% | 66.9% |
30分未満 | 81.0% | 70.8% | 73.5% | 65.2% |
読書することはない | 75.0% | 64.3% | 67.3% | 58.8% |
本調査の結果を踏まえ、児童・生徒の学習のつまずきがどこにあるのか、そのつまずきの原因は何かを明らかにし、児童・生徒一人一人の学習のつまずきに応じた具体的な方策を立てる必要がある。その際、本報告書で示してある「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」との関連を参考にして、指導の充実を図っていくことが大切である。
児童・生徒の興味・関心、習熟の程度など、児童・生徒の実態を把握し、その実態に応じた指導法の工夫を図ることが大切である。その際、組織的に指導(評価)計画の作成・実施・評価・改善(PDCAサイクル化)に留意する必要がある。
各教科等の授業において、(1)文章や図表、グラフ等から、解決に必要な情報を正確に取り出す活動、(2)取り出した複数の情報を、相互に比較したり、関連付けたりして読み取る活動、(3)読み取った内容を既存の知識や技能、経験と照らしながら、意図や背景、理由を推論して解決する活動等を設定することにより、読み解く力を高める指導の工夫を図っていくことが大切である。
観察や実験、調査・取材活動等の体験的な活動を通して感じたことや考えたことを表現する活動、調べた事実と解釈を明確に分けて表現する活動、互いに考えを表現し合う活動により、自らの考えを広げ、深められるようにすることが大切である。
教員自身が適切な言葉で話すこと、黒板などに丁寧で正確な文字を書くこと、教員と児童・生徒間の話し言葉が適切に行われること、児童と生徒相互の話合いが目的や状況に応じて適切に行われるような場面をつくること、多様なテキストや辞書等を活用した授業を行うことなど、日ごろから言語環境を整備しておくことが大切である。
「全国学力・学習状況調査」(国)及び「児童・生徒の学力向上を図るための調査」(都)における結果の分析等を行い、授業改善のポイントを提示することにより、各学校の「授業改善推進プラン」による授業改善を一層推進していく。
平成21年度に、新しい学習指導要領や平成20年度の都の学力調査の結果を踏まえるとともに、新たに指導事例を加え、「東京ミニマム」の改訂を行った。本年度は、この「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)」の効果的な活用方法についての説明会を開催する。
基礎的・基本的な内容を十分に身に付けている児童・生徒に対して、学習指導要領に示す内容の理解を一層深める学習を行ったり、さらに進んだ内容についての学習を行ったりするなどの学習指導を推進するための教材・指導法の開発を行う。平成22年度は、小学校の国語・社会・算数・理科について開発を行う。平成23年度は、中学校の国語・社会・数学・理科・外国語について開発を行う。
報告書については下記をクリックしてください。
平成21年度児童・生徒の学力向上を図るための調査報告書PDF [4.3MB]
教育庁指導部義務教育指導課
電話:03-5320-6841 ファクシミリ:03-5388-1733
メール:S9000024(at)section.metro.tokyo.jp
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