○東京都公立学校の管理運営に関する規則の一部改正について

昭和五三年一〇月一日

五三教学高発第二〇二号

都立高等学校長

都立盲・ろう・養護学校長

さきに、昭和五三年七月二四日五三教学高発第一一九号をもつて通知したとおり、「東京都公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則」(昭和五三年東京都教育委員会規則第二八号。以下「改正規則」という。)は、昭和五三年一〇月一日から施行されることになつた。

今回の改正規則を制定した趣旨は、児童・生徒の指導の充実を図るために、学校運営における指導組織を整備し、調和のとれた創意のある学校運営を目指して主任の制度化を行うとともに、「東京都区市町村立学校の管理運営の基準に関する規則」(昭和五三年東京都教育委員会規則第二九号)の制定に伴い、関係規定を整備したものである。

ついては、貴職におかれては、実施に当たり、改正規則及び本通達に基づき遺憾のないよう処理願いたい。

第一 改正の概要

一 都立高等学校

(一) 主任の設置

学校教育における生徒の指導について、指導の内容から見て、学習指導、生徒指導、進路指導、健康・安全指導を基本的に分掌すべき指導分野とし、また、指導の対象からみて、学年、学科及び農場における教育活動を基本的に分掌すべき指導分野とした。

それぞれの分野に主任を置くこととし、その分野の主任は次のとおりとした。

ア 学習指導に関する分野…教務主任

イ 生活指導に関する分野…生活指導主任

ウ 進路指導に関する分野…進路指導主任

エ 健康・安全指導に関する分野…保健主任

オ 学年・学科、農場の教育活動に関する分野…学年主任、学科主任、農場主任

ただし、特別の事情があるときは、これらの主任を置かないことができることとした。

(二) 主任の職務

主任の職務は、その担当する事項について企画立案及び連絡調整に当たり、必要に応じて指導、助言を行うこととした。

(三) 主任の発令等

ア 発令及び報告

主任は、校長が当該学校の教諭(保健主任については養護教諭を含む。)をもつて充てるものとし、これを命じたとき、教育委員会に報告しなければならないこととした。

イ 任期

主任の任期は、四月一日から翌年三月三一日までの一年間とし、再任を妨げないこととした。

(四) 必要に応じ置く主任等

(一)の主任以外に、校長は、必要に応じ、校務を分掌する主任を置くことができることとし、その報告及び任期については(一)の主任と同様とした。

二 都立盲・ろう・養護学校

(一) 主任の設置

学校教育における児童・生徒の指導について、指導の内容からみて、学習指導、生活指導、進路指導、健康・安全指導を基本的に分掌すべき指導分野とし、また、指導の対象からみて、部における教育活動を基本的に分掌すべき指導分野とした。

それぞれの分野に主任を置くこととし、その分野の主任は次のとおりとした。

ア 学習指導に関する分野…教務主任

イ 生活指導に関する分野…生活指導主任

ウ 進路指導に関する分野…進路指導主任

エ 健康・安全指導に関する分野…保健主任

オ 部の教育活動に関する分野…学部主任

ただし、特別の事情のあるときは、これらの主任を置かないことができることとした。

(二) 「主任の職務」、「主任の発令等」及び「必要に応じ置く主任等」については、都立高等学校と同様とした。

三 その他

東京都区市町村立学校の管理運営の基準に関する規則(昭和五三年東京都教育委員会規則第二九号)が制定されたことに伴い、区市町村立学校に関する規定の整備を行った。

四 施行期日

昭和五三年一〇月一日

第二 解釈及び運用方針

一 第一〇条の二関係

(一) 主任は、全日制、定時制及び通信制の課程別に置くものとする。

(二) 三部制の定時制課程と夜間の定時制課程とを置く学校は、それぞれ別の課程として取扱うものとする。

(三) 分校は、一校として取扱うものとする。

(四) 「専門教育を主とする学科」の学科とは、東京都立学校設置条例施行規則(昭和三九年東京都教育委員会規則第六号)別表一高等学校の部中、学科欄に掲げる「科」(普通科を除く。)をいうものとする。

(五) 「特別の事情」については、次のとおりとし、これに該当する場合の主任の設置については、校長が学校の校務分掌組織の実態に即して決定するものとする。

ア 教務主任、生活指導主任、進路指導主任及び保健主任

学校の学級数が全日制課程にあつては三以下の場合、定時制課程にあつては四以下の場合(学年進行により四以下になると見込まれる場合を含む。)とする。

イ 学年主任

当該学年の学級数が二以下の場合とする。

ウ 学科主任

専門教育を主とする学科が一学科のみの学校で、当該学科の学級数が全日制課程にあつては三以下の場合、定時制課程にあつては四以下の場合とする。

エ 農場主任

定時制課程の場合とする。

オ 通信制課程にあつては、進路指導主任、保健主任及び学年主任とする。

二 第一〇条の三関係

(一) 主任の職務について

ア 主任の職務は、その担当する事項について企画立案及び連絡調整に当たり、必要に応じて指導、助言を行うものであり、いわゆる中間管理職として指揮監督を行うものではない。

イ 「企画立案及び連絡調整に当たり、必要に応じて指導、助言を行う」とは、「企画立案」、「連絡調整」及び「指導、助言」の職務は、それぞれ連関するものであるので、これらの職務を一体として行うことである。したがつて、これらの職務を分割して、主任の職務を「企画立案」のみとしたり、「企画立案及び連絡調整」としたりすることはできない。

ウ 「必要に応じて」としたのは、学校の教育目的達成のための職務執行について、教職員の創造性、専門性を考慮し、注意的、確認的に規定したものである。

この場合の判断は、校長やその他の教職員の意見に基づく場合のほか、主任自らの考えにより行うものである。

(二) 第一、一、(一)の主任の職務内容は、概ね次のとおりである。

ア 教務主任

教育課程の編成及び実施の総合的な調整、教科書・教材の取扱い等、教務に関すること。

イ 生活指導主任

生活指導計画の立案及び実施の総合的な調整、生活指導に関する資料の整備等、生活指導に関すること。

ウ 進路指導主任

進路指導計画の立案及び実施の総合的な調整、進路情報の収集・整理等、進路指導に関すること。

エ 保健主任

保健計画の立案及び実施の総合的な調整、生徒の健康管理等、保健に関すること。

オ 学年主任

学年の教育指導に関する総合的な調整、学年と他の分掌との連携等、学年の教育活動に関すること。

カ 学科主任

学科の専門教育に関する指導計画の立案及び実施の総合的な調整、施設・設備計画の運営等、学科の教育活動に関すること。

キ 農場主任

農業に関する実習計画の総合的な調整、実習地及び実習施設の運営等、農場の教育活動に関すること。

三 第一〇条の四関係

(一) 主任の発令について

ア 主任の選任に当たつては、教員の適性や経験を生かすように配慮するとともに、できるだけ多くの教員が、各種の主任を経験し得るよう留意し、教職員相互の協力関係の確立に努める必要がある。

イ 主任を命ずる場合は、文書又は口頭のいずれかの方法でも差し支えないが、当該職員に対し、その意志が確実に到達しなければならない。

ウ 主任の職務を命ぜられている者が、退職、休職、異動その他の事由により欠けたときなど、その職務を執行できなくなった場合には、校長が当該職務を執行すべき者を新たに主任として命ずるものとし、その任期は残余期間とする。

エ 校長は、学校運営上必要があるとき、他の主任との兼務をさせることができるものとする。

(二) 主任の報告について

主任名及び職氏名を毎年度四月末日までに教育庁指導部へ文書をもつて報告するものとする。

四 第一〇条の五関係

(一) 第一〇条の二に基づき設置する主任のほか、各学校において、調和のとれた創意のある学校運営をすすめるために必要とする指導に関する組織を設け、主任等を置くことができるものである。

(二) 「必要に応じ置く主任等」の職務は、それぞれの分掌に関して、第一〇条の二による主任に準ずるものとする。

(三) 「必要に応じ置く主任等」は、校長が当該学校の教職員をもつて充てるものとし、これを命じたとき、教育委員会へ報告するものとする。

(四) 報告については、前記三、(二)と同様とする。

(一) 分校(幼稚部のみの分校を除く。)は、一校として取扱うものとする。

(二) 精神薄弱と肢体不自由の二つの種別を置く養護学校には、それぞれの種別ごとに学部主任を置くものとする。

ただし、両種別の教育活動が一体となつて、行われている場合には、学部主任を種別ごとに置かないことができる。

(三) 第三四条及び第三八条によつて準用する第一〇条の二第一項(学年主任に係る規定を除く。)ただし書きの「特別の事情」については、次のとおりとし、これに該当する場合の主任の設置については、校長が学校の校務分掌組織の実態に即して決定するものとする。

ア 教務主任、生活指導主任及び保健主任

学校の学級数が三以下の場合とする。

イ 進路指導主任

(ア) 幼稚部及び小学部の学校並びに小学部のみを置く学校の場合とする。

(イ) 中学校及び高等部を置く学校で、その学級数があわせて三以下の場合とする。

(ウ) 中学部又は高等部を置く学校で、その部の学級数が三以下の場合とする。

ウ 学部主任

単学部の学校の場合とする。

(四) 主任の職務内容

ア 教務主任、生活指導主任、進路指導主任及び保健主任については、都立高等学校と同様とする。

イ 学部主任の職務内容は、概ね次のとおりである。部の教育指導に関する総合的な調整、部と他の分掌との連携等、部の教育活動に関すること。

(五) 備考

第三八条の改正により、都立高等学校に係る規定のうち、新たに準用することとなつた条文は次のとおりである。

ア 第一〇条の二第一項(学年主任に係る規定を除く。)…設置する主任

イ 第一〇条の三…主任の職務

ウ 第一〇条の四…主任の発令、報告及び任期

エ 第一〇条の五…必要に応じて置く主任等

六 附則第二項関係

附則第二項は、改正規則の施行期日が年度途中であり、既に各学校において年度当初に校務分掌が定められ、それによつて学校運営が行われることを考慮し、円滑な学校運営を図るために経過措置として設けたものである。

東京都公立学校の管理運営に関する規則の一部改正について

昭和53年10月1日 教学高発第202号

(昭和53年10月1日施行)

体系情報
都立学校教育部高等学校教育課
沿革情報
昭和53年10月1日 教学高発第202号