○消防法の規定に基づく防火管理者の指定について

昭和三六年四月二一日

三六教学学発第二五一号

各都立学校長

学校における火災予防については、都教育委員会においても常に重大な関心を払い、いろいろな機会を通じて注意を促し、特に本年度公立学校校長会における指示連絡事項の中で、学務部所管(一)学校管理上の注意点 (二)火災予防の事項を設けて留意すべき諸点を述べてあり、貴職におかれても、火気取締り、防火訓練、部下職員の監督等万全の措置をとられてきているところと思われますが、このたび、消防法(昭二三、七、二四法律第一八六号)、同法施行令(昭三六、三、二五政令第三七号)の関係規定の施行に伴い、本年四月一日から各都立学校に防火管理者がおかれることになりました。

ついては、その取扱について下記のとおり定めましたので、各学校(分校および水上小学校月島寄宿舎を含む。)ごとにすみやかに防火管理者を指定し所轄の消防署長に届け出るとともに、四月末日までにその者の氏名等を報告願います。(教育庁学務部学務課学事係扱)

なお、防火管理者の届け出、報告は、その教員の異動に伴うなど、指定または解任のつど、必ず実施願います。

(届け出報告の様式は別紙参照)

一 防火管理者の業務(消防法第八条参照)防火管理者は校長の監督を受け、次の各号の業務を行う。

(一) 消防計画の作成

(二) 消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施

(三) 消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備

(四) 火気の使用又は取扱いに関する監督

(五) その他防火管理に必要な業務

二 防火管理者の資格(消防法施行令第三条参照)

(一) 市町村の消防長その他自治大臣の指定する機関が行なう防火管理に関する講習会の課程を修了した者

(二) 大学等において自治大臣の指定する防災に関する学科又は課程を修了した者

(三) 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者

(四) 前各号に掲げる者に準ずる者で、自治省令で定めるところにより、防火管理者として必要な学識経験を有すると認められる者

三 防火管理者の資格の特例と罰則の規定

(一) 資格の特例(消防法付則第二項参照)昭和三七年三月三一日までは、前記の資格を有しない者を防火管理者に指定することができる。

(二) 罰則の規定(消防法第四三条第一号、第四四条第三号参照)防火管理者を指定せず、または指定、解任の届け出をしなかつた場合は、罰則の規定の適用がある。

四 防火管理者指定の手続

消防法第八条にいう学校の管理について権限を有する者として、各都立学校長がそれぞれの学校の教頭および高等学校において定時制の課程または分校の定時制の課程(品川ろう学校玉川分校、水上小学校月島寄宿舎を含む。)を設置している場合はそれぞれの主事(品川ろう学校の幼稚部の主事、水上小学校月島寄宿舎の舎監を含む。)を、防火管理者に指定し、所轄消防署長への届け出及び教育長への報告を行なう。届け出および報告は、今後異動に伴うなど指定または解任のつど行なう。

五 防火管理に関する講習会

消防庁等において防火管理の講習会が行なわれるものと考えられるので、受講して資格を得るようにする。

六 その他

(一) 学校の教室、管理室等の火気の使用その他の防火管理については、従来どおり各室ごとに火元責任者を配置してその業務にあたらせるが、防火管理者はそれらの者を監督するなど防火管理の責務を有するものである。

(二) 防火管理者の資格を掲げた消防法第三条の各号中、自治省例の定めまたは自治大臣の指定とあるのは、いずれも未制定である。

(添付資料)

一 防火管理者指定の届け出および報告様式

二 消防法関係法令抜すい

参考資料

一 防火管理者指定の届け出(報告)の様式

画像

二 消防法関係法令抜すい

消防法(昭和二三年七月二四日法律第一八六号)

第八条 学校、病院、工場、事業場、興行その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権限を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、速報及び避難訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない。

② 前項の政令で定める防火対象物の管理について権限を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

第四三条 左の各号の一に該当する者は、三月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

一 第八条第一項(防火管理業務のための防火管理者指定)の規定に違反して防火管理者を定めなかつた者

第四四条 左の各号の一に該当する者は、二千円以下の罰金又は拘留に処する。

三 第八条第二項〔防火管理者指定、解任の届出〕の規定による届出を怠つた者(抄)

則(昭三五、七、二法律第一一七号)

② 消防法第八条第一項の政令で定める防火対象物の管理について権限を有する者は、この法律の施行の日から起算して一年間は、同条同項の規定にかかわらず同条同項の政令で定める資格を有しない者のうちから防火管理者を定めることができる。

(抄)

消防法施行令(昭和三六年三月政令第三七号)

第一条 消防法(以下「法」という。)第八条第一項の政令で定める防火対象物は、別表第一に掲げる防火対象物で、当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数が五〇人以上のものとする。(抄)

第三条 法第八条第一項の政令で定める資格を有する者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

一 消防本部及び消防署を置く市町村の消防長その他自治大臣の指定する機関が行なう防火管理に関する講習会の課程を修了した者

二 学校教育法(昭和二二年法律第二六号)による大学若しくは短期大学、旧大学令(大正七年勅令第三八八号)による大学又は専門学校令(明治三六年勅令第六一号)による専門学校において自治大臣の指定する防災に関する学科又は課程を修めて卒業した者で、一年以上防火管理の実務経験を有するもの。

三 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者

四 前各号に掲げる者に準ずる者で、自治省令で定めるところにより、防火管理者として必要な学識経験を有すると認められる者

第四条 防火管理者は、防火管理上必要な業務を行なうときは、誠実にその職務を遂行しなければならない。

② 防火管理者は、消防の用に供する設備、消防用水若しくは消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)の点検及び整備又は火気の使用若しくは取扱いに関する監督を行なうときは、火元責任者その他の防火管理の業務に従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない。

別表第一(抄)

(6)

ハ 幼稚園、盲学校、聾学校又は養護学校

(7)

小学校、中学校、高等学校、大学又は各種学校

(8)

図書館、博物館又は美術館

消防法の規定に基づく防火管理者の指定について

昭和36年4月21日 教学学発第251号

(昭和36年4月21日施行)

体系情報
都立学校教育部高等学校教育課
沿革情報
昭和36年4月21日 教学学発第251号