○妊産婦である職員が休養を要する場合の職務に専念する義務の免除及び給与減額の免除の取り扱いについて

平成一〇年三月三一日

九教人職第九六六号

区教育委員会教育長

区立学校長

都立学校長

このことについて、東京都人事委員会より平成一〇年三月二七日付一〇人委任第二三八号(以下「承認通知」という。)をもってその承認を得たところである。ついては、その具体的取り扱いについて下記のとおり定めたので通知する。

一 妊娠中の休憩に関する措置にかかるもの(承認通知(ア)関係)

(一) 概要

医師又は助産婦(以下「医師等」という。)の指導があった場合に、妊娠中の教職員の申し出により、適宜休養や補食ができるよう、勤務時間の一部を免除する(以下本通知において「職免(ア)」と言う。)

(二) 対象者

妊娠中の教職員で、医師等の指導により休養又は補食の必要があるとされたもの。

(三) 職免を承認する期間

医師等の指導に従い、その都度必要と認められる時間(分単位)

ただし、正規の勤務時間の始め又は終わりと引き続く時間又は他の規定により勤務しないことを承認している時間に連続する時間において、本職免を承認することはできない。従って、例えば妊婦通勤時間や年次有給休暇と連続する時間において承認することはできない。

もっとも、本職免の承認を受け、休養した結果として突発的に終業時にかかり職場復帰できない場合にあっては、この限りではないものとする。休養したまま休憩時間に引き続いた場合も同様の扱いとする。

(四) 申請手続き

教職員は、医師等の指導内容が明らかな診断書、証明書、母子手帳、母性健康管理指導事項連絡カード(平成九年九月二五日付け労働省告示第一〇五号で定めるもの。以下「連絡カード」と言う。)のいずれかを休暇・職免等処理簿に添付し、承認権者に請求する。なお、医師等の指導内容としては、必要とする措置の内容及びその期間が明らかであること。

緊急等やむを得ない場合で、事前に上記証明書類を添付できないときは、事後すみやかに当該書類を提出すること。

ただし、医師等の指導により措置を要するとされた期間内において、本職免を承認する場合には、以後上記証明書類の添付を省略できるものとする。従って、当該期間経過後に職免を申請する場合は、改めて証明書類が必要であること。

なお、個人の健康状態に関する情報は個人のプライバシーに属するため、本職免はもちろん、母性健康管理の措置の運用にあたっては、プライバシーの保護に充分留意する必要がある。

(五) 給与の取扱い

勤務を免除された期間中は、給与の減額を免除する。

なお、この場合において職務専念義務の免除が承認された場合は、給与減額免除の承認を得たものとみなし、給与減額免除申請書による申請を要しないこととする。

(六) 想定事例

【問一】 始業時三〇分の妊婦通勤時間の承認を受けている教職員が、出勤後ただちに職免(ア)を請求した場合に承認できるか。

【答一】 妊婦通勤時間終了後、いくらかでも勤務実績があれば承認できる。職免(ア)は、勤務中に休養させることを目的とし、休養後職務復帰を前提とした制度であるから、始業時間の繰下げ、退庁時間の繰上げや休暇の延長につながるような取り方でない限り承認することができる。

【問二】 職免(ア)を承認され休養室で休養していたが、体調が回復せず、所属長に申し出てそのまま帰宅するような場合の服務の扱いはどのようにしたらよいか。

【答二】 帰宅する時間から年休を承認することとなる。その限りでは、職免時間と年休の開始時間が連続することになるが、この場合はやむを得ないものとしたい。

二 妊娠中及び出産後の症状等に関する措置(承認通知(イ)関係)

(一) 概要

医師等の指導があった場合に、妊娠中及び出産後一年を経過していない教職員の申し出により、その者の業務の負担を軽減するため、あらかじめ勤務時間の一部を短縮する(以下本通知において「職免(イ)」と言う。)

(二) 対象者

妊娠中及び出産後一年を経過していない教職員で、医師等の指導により勤務時間の短縮の必要があるとされたもの。

(三) 職免を承認する期間

医師等の指導に従い、あらかじめ必要と認められる時間(時間又は分単位)

ただし、他の規定により勤務しないことを承認している場合については、当該承認された時間を超えてなお勤務時間の短縮が必要な場合に、その超えた時間に限って本職免を承認できるものとする。従って、その日の勤務時間を二時間短縮するよう指導された教職員が、すでに六〇分の妊婦通勤時間を認められている場合は、残り六〇分について承認できる。この場合は、職免(ア)と異なり、妊婦通勤時間と連続する時間において職免(イ)を承認することができる。

(四) 申請手続き

教職員は、医師等の指導内容が明らかな診断書、証明書、母子手帳、連絡カードのいずれかを休暇・職免等処理簿に添付し、承認権者に請求する。なお、医師等の指導内容としては、必要とする措置の内容及びその期間が明らかであること。

やむを得ない場合で、事前に上記証明書類を添付できないときは、事後すみやかに当該書類を提出すること。なお、やむを得ない場合とは、手続き的にその証明書類の発行が遅れるような場合が考えられるが、その場合でも、事前に医師等の指示内容を確認しておく必要があることは言うまでもない。

なお、職免(ア)等における場合と同様に、教職員のプライバシーの保護には充分留意すること。

(五) 給与の取扱い

勤務を免除された期間中は、給与の減額を免除する。

ただし、他の規定により勤務しないことを承認している時間との合計が一日に四時間を超えない場合で、その範囲内で承認されたものに限る。

なお、この場合において職務専念義務の免除が承認された場合は、給与減額免除の承認を得たものとみなし、給与減額免除申請書による申請を要しないこととする。

(六) 想定事例

【問一】 勤務時間短縮が二時間必要とされ、あらかじめ二時間の職免(イ)を承認されていた教職員が当日の午後三時間の年休を請求した場合の取り扱い如何。

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【答一】 年休三時間により勤務時間の短縮は図られることになるから、本来職免は取り消されるべきであるが、すでに使用した職免(イ)①については取り消さず、有給の職免として扱う。ただし、職免(イ)②についてはその必要性はないから、これを取り消すか、あるいは、これを含めて四時間の年休として処理するかいずれかとなる。

【問二】 勤務時間短縮が二時間必要とされ、あらかじめ二時間の職免(イ)を承認されていた教職員が、途中で合計六〇分の職免(ア)を承認された場合の取扱いはどうすればよいか。

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【答二】 職免(イ)①とその後に承認した職免(ア)との合計が二時間となり、勤務時間の短縮の措置としてはこれで満たされることになるから、終業時の職免(イ)②の部分は、取り消されることとなる。

【問三】 勤務時間短縮が五時間必要とされ、あらかじめ五時間の職免(イ)を承認されていた教職員が当日の午後四時間の年休を請求した場合の取り扱い如何。

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【答三】 五時間の職免(イ)が承認されていることから、もともとこのうち四時間のみが給与減免の対象となる(逆に職免のうち一時間は無給となる。)。本問のように四時間が年休に振り替えられた場合であっても、本来はこの年休を含めて四時間までが減免の対象となるから、職免(イ)①は一時間の無給職免とならざるをえないが、職免(イ)①については、すでに使用しているため、この場合は有給として扱うものとする。

【問四】 勤務時間短縮が五時間必要とされ、あらかじめ五時間の職免(イ)を承認されていた教職員が朝一時間の年休を請求した場合の取り扱い如何。

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【答四】 問三と異なり、先に年休を取得した場合は、後の職免(イ)についての減免対象のカウントの方法としては、原則通り、年休一時間を含めて四時間を超える部分、即ち、職免(イ)②のうち一時間を無給として取り扱う。

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妊産婦である職員が休養を要する場合の職務に専念する義務の免除及び給与減額の免除の取り扱い…

平成10年3月31日 教人職第966号

(平成10年3月31日施行)

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