○学校外学習活動の適正化について
昭和五二年五月一一日
五二教指管発第一一五号
各区市町村教育委員会教育長
各都立学校長
各教育庁出張所長
東京都多摩教育事務所長
東京都多摩西多摩支所長
東京都における各学校は、従来から児童・生徒の特性に即してひとりひとりを生かす教育を推進し、父母の信頼を受けて学校教育の充実を図るよう努めてきた。
しかしながら、社会における学歴偏重の風潮や入試準備教育等の問題から、多くの児童・生徒が学習塾に通う現象が生じ、学校教育の在り方や児童・生徒の全人的発達にさまざまな影響を及ぼしており、各学校の創意工夫に基づいた実践が期待されるところである。
東京都教育委員会はこれまで関係各方面にその改善を訴えてきたが、この際、特に検討のための機関を設けるなどさらに努力する所存である。しかし、この解決のためには、学校・家庭・社会相互のなおいつそうの理解と努力とが必要である。
貴職におかれては、従前から努力しているところであるが、下記事項について更に徹底するよう格段の御配慮を願いたい。
記
一 学校教育の果たす社会的責任を自覚し、学校教育の充実を図る。
(一) 学校教育の果たす役割を再確認するとともに、豊かな人間性の育成を目指して指導内容の精選・集約を図り、適切な教育課程を編成し実施すること。
(二) 児童・生徒が学校生活に喜びを感じ、真剣に取り組むよう指導法の改善に努めること。
(三) 日々の授業においては、個別指導を充実させるとともに、児童・生徒の家庭学習の在り方について適切な指導を行うこと。
二 学校教育に対する理解をいつそう深めるとともに、学校外学習活動の適正化を図る。
(一) 学校の教育目標をはじめ日常の学習指導の進め方等について、学年・学級の父母会などさまざまな機会を通して父母の理解を得るよう努めること。
(二) 児童・生徒の通塾をはじめ学校外学習活動について、学校と父母とがともに検討する体制を整え、協力してその適正化を図るよう努めること。
(三) 児童・生徒の教育に深いかかわりをもつPTA等に対し、学校外の学習活動について理解を求め協力を得るよう努めること。
三 特に教育公務員は、その使命と職責について十分自覚し、父母の信頼をそこなわないよう服務の適正を図る。
(一) 教育公務員は全体の奉仕者として全力をあげて職務に専念しなければならないものであり、アルバイト等によつて本務がおろそかになり教育活動に支障が生ずることのないようにすること。
(二) 教育公務員の兼職については、教育公務員としての信用を傷つけ父母の批判を招くことのないようにすること。
(三) 兼職の取扱いについては、全面的見直しを行う予定であるが、上記(一)、(二)の趣旨に沿つて職務の適正を図ること。
なお、文初中第一八四号(昭和五二年三月一八日付)にて、文部省初等中等教育局長から別添のとおり通達があつたので、併せて配布されたい。
別添(略)