○児童・生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する指導の徹底について

平成九年一一月一四日

九教体健第一一〇号

区市町村教育委員会指導事務担当室(課)長

多摩教育事務所長

多摩教育事務所西多摩支所長

各教育庁出張所長

各都立学校長

このことについて、平成九年一〇月三一日付文体学第二九〇号にて文部省事務次官から別添写のとおり通知がありました。

つきましては、趣旨を御理解の上、学校において児童・生徒の薬物乱用防止に関する指導のより一層の徹底に努めていただくようお願いします。

別添

○児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する指導の徹底について

平成九年一〇月三一日

文体学第二九〇号

附属学校を置く各国立大学長

国立久里浜養護学校長

各都道府県知事

各都道府県教育委員会教育長

児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する指導の充実については、かねてより格段の御努力をお願いしているところでありますが、平成八年に覚せい剤等の乱用により補導された中・高校生は平成元年以降最高を記録し、特に高校生については、平成七年の約二・三倍に上るなど深刻な状況にあります。また、去る五月に文部省において児童生徒の覚せい剤等の薬物に対する意識等調査を実施し、このたびその結果を取りまとめたところですが、同調査結果からも児童生徒の薬物に対する危機意識の低さなどが明らかになり、薬物乱用防止に係る指導の徹底を図ることが急務となっております。

このため、文部省においては生徒用教材や教師用指導資料増補版の作成・配布、各種研修会等における指導を行うとともに、関係省庁とも連携・協力し、児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する施策の一層の充実に努めてまいりますが、貴職におかれても下記事項に留意の上、貴管下の市町村教育委員会、学校等の関係機関に周知を図り、児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関するより一層の指導の徹底を図られますようお願いいたします。

一 小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校(以下、「学校」という。)における薬物乱用防止に関する教育は、児童生徒に単に薬物に対する知識を教えるだけではなく、現在及び将来にわたり薬物乱用は絶対に行うべきではないし、許されることではないという態度を身に付けさせるという観点に立って指導の充実を図る必要があること。その際、学校における健康の保持増進に関する指導については、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとし、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならないことに留意すること。

二 学習指導要領においては、中学校の教科「保健体育」(保健分野)において「喫煙、飲酒、薬物乱用などの行為は、心身に様々な影響を与え、疾病の要因ともなること」を理解させるよう指導すること、また、高等学校の教科「保健体育」(保健)では「喫煙や飲酒、薬物乱用と健康との関係、医薬品の正しい使い方について理解させる」よう指導することとされていることの趣旨を踏まえ、すべての学校においても薬物乱用防止に関する指導の徹底を期すこと。さらに、小学校においても教科「体育」の保健領域において「病気の予防」や「健康な生活」の指導に関連づけて、児童の発達段階に応じ薬物乱用防止に関する指導を行うこと。

また、各学校段階を通じ、教育相談等の生徒指導の機能を一層活用するとともに、道徳や特別活動等において、自他の生命を尊重すること、社会の秩序やきまりを守ること、心身の健全な発達や健康の保持増進に努めることなどの観点から、各学校の創意工夫により、積極的に薬物乱用防止に関する指導を行うこと。

三 薬物乱用防止に関する指導に当たって、児童生徒に薬物乱用の有害性、危険性をわかりやすく、かつ、正しく理解させるためには、国や都道府県等において作成した児童生徒用教材や教師用指導資料等を適切に活用することが有意義であること。また、学校において警察職員や麻薬取締官OB等の専門家の協力を得ながら薬物乱用防止教室の開催の推進を図るなど、関係機関等との密接な連携を図ることが重要であること。

さらに、指導に当たる教員の指導力の向上を図るため、国においては薬物乱用防止教育のための研修会を開催しているところであるが、各都道府県等においても積極的に教員の研修の機会の充実に努めること。

四 学校のみならず家庭、地域社会が一体となって薬物について学ぶことができるよう、例えば薬物乱用防止に関する生涯学習講座の開設や相談窓口の設置など、その機会の提供や場の整備等に努めること。

児童・生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する指導の徹底について

平成9年11月14日 教体健第110号

(平成9年11月14日施行)

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平成9年11月14日 教体健第110号