○住居手当の取扱いについて

平成24年11月30日

24教人勤第215号

区市町村教育委員会教育長

都立学校長

多摩教育事務所長

教育庁出張所長

東京都教職員研修センター所長

東京都教育相談センター所長

東京都学校経営支援センター所長

教育庁関係部長

このたび、学校職員の給与に関する条例(昭和31年東京都条例第68号。以下「条例」という。)及び学校職員の住居手当に関する規則(昭和46年東京都教育委員会規則第15号。以下「規則」という。)の一部が改正され、平成24年12月1日から住居手当の支給要件等が改正されることとなった。これに伴い、住居手当の取扱いについて条例等に定めるもののほか、下記により処理されるよう通知する。

なお、住居手当の支給範囲について(通知)(昭和62年3月10日付61教人勤第115号)及び学校職員の給与に関する条例等の一部改正に伴う住居手当の取扱いについて(通知)(平成8年3月29日付7教人勤第271号)は本通知を持って廃止する。

第1 支給範囲について

1 「世帯」について

(1) 世帯とは、生計を一にする生活単位をいう。

(2) 世帯は、親族のみに限定しない。ときとして、親族以外のものが混在していることもありうるが、それも含める。

(3) 世帯とは、社会的にも経済的にも生計を一にする生活単位をいうものであるから、必ずしも同居・別居の区分や住民票上の同一世帯か否かの区分と一致するものではない。

〈具体例〉

ア 職員が独身者の場合

(ア) 親と同居の場合は、親と生計を一にしていると考えられるので、同一世帯とみる。

(イ) 親と別居の場合は、通常、別世帯と考える。

イ 職員がア以外(既婚者等)の場合

(ア) 親等と同居の場合であっても住民票上世帯分離していれば、通常、別世帯と考える。ただし、住民票上世帯分離していなければ、同一世帯と考える。

(イ) 配偶者間で別居している場合は、住民票上世帯分離していても、相互に同居・扶助の義務(民法(明治29年法律第89号)第752条参照)があるので、通常、同一世帯とみる。

ただし、離婚を前提として別居している等、生計を別にしていると考えられる場合には、別世帯とみる。

(ウ) 職員と同居している者で、収入を得ている独身者又は既婚者等がいる場合には、ア(ア)又はイ(ア)に準じて考える。

(エ) 修学、療養等の都合上、職員と日常の起居を共にしていない親族がいる場合は、その親族が修学の余暇又は療養中の帰宅日等には職員のもとで起居を共にすることを常例としているとともに、職員から常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われているときは、同一世帯と考える。

2 「住居手当等」について

(1) 世帯主(これに準ずる者を含む。以下同じ。)である職員が、他から住居手当又はこれに類する手当を受けていないこと。

したがって、当該世帯主である職員を除く世帯員が、他から住居手当等を受けている場合も支給対象になる。

(2) 「住居手当又はこれに類する手当」とは、雇用主が金銭により支給する給与で、その目的が住居の費用又は賃料の一部又は全額を負担するものである。

〈具体例〉

ア 「これに類する手当」には家賃の補給金等を含み、土地家屋の購入に係る借入金を除く。

イ 民間企業等において、家族手当・扶養手当等の名称の手当の中に、「住居手当等」に相当する部分を考慮して額を加算してある場合等もありうるが、明確に判断できる場合は別にして通常は除く。

3 「公舎等」について

(1) 世帯主である職員が、「公舎等で教育委員会規則で定めるもの」に居住していないこと。

したがって、世帯員のいずれかが当該職員と別居して、公舎等に入居している場合でも、世帯主たる職員自身が公舎等に入居していない限り支給対象になる。

(2) 「公舎等で教育委員会規則で定めるもの」とは、都のみならず他のもの(国、民間等を問わず、すべての勤務先を指す。)が被雇用者及びその世帯の構成員等を居住させるために設置した施設をいう。

したがって、雇用主が住宅を借り受け、貸主に賃借料を直接支払う形式のものも含む。

〈具体例〉

「公舎等で教育委員会規則で定めるもの」とは、次のものをいう。

ア 国、都道府県、市区町村、公社、公団等が設置する職務住宅(職務遂行のために被雇用者等を居住させる施設)及び職員住宅(福利厚生のために被雇用者等を居住させる施設)

イ 民間企業(ア以外のすべての勤務先を含む。)が設置する社宅等(「職務住宅」及び「社員住宅」をいう。)

ウ この場合、ア、イに居住する職員等の家賃の負担額については考慮しない。

4 「収入等」について

(1) 「主としてその収入によって当該世帯の生計を支えている」とは、職員の収入が世帯収入のうちで50%を超えていることをいう。

ただし、職員が住民票上の世帯主であって、現に居住する家屋が自己の賃借名義(共同名義を含む。)である場合には「主としてその収入によって当該世帯の生計を支えている」ものとみなす。

(2) 「収入」とは、あらゆる所得について、総収入金額でとらえる。

したがって、事業所得等における所得税法上の必要経費等は一切考慮しないこととなる。

(3) 「収入」は、現在及び将来にわたる総収入金額をいい、必ずしも、所得税法上の所得のように暦年区分による所得額をいうものではない。したがって、条例第13条の3第1項の職員たる要件を具備するに至った場合、又は同項の職員に係る事実に異動のあった場合の事実発生の日の前の1年間等における実際の所得額は上記の「収入」金額の推定にとどまる。

(4) 収入の算定方式は、官公庁、会社等に勤務しており、月々給与を得ている場合や、貸家の家賃収入がある等毎月定まった収入がある場合には、その月収額を年収に換算する方式をとる。

(5) (4)のほか、恩給、年金、利子配当、農業所得等のように、その所得が年1回ないし数回に限られているとか、その時期が特定し難い所得が予想される場合には、1年間の総収入の見込額をもって認定する。

(6) 退職手当等のように1回限りのものは、これを資として生ずる所得を除き、総収入には含まない。

5 「年齢」について

「満34歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」とは、「満34歳に達する日」は満34歳の誕生日の前日をいい、「以後の最初の3月31日」は「満34歳に達する日」当日を含む最初の3月31日である。

〈具体例〉

ア 昭和53年4月1日生まれの職員の「満34歳に達する日」は平成24年3月31日であり、住居手当の支給対象にならない。

イ 昭和53年4月2日生まれの職員の「満34歳に達する日」は平成24年4月1日であり、平成24年度まで支給対象になる。

6 「住宅」について

(1) 住宅の借主

「自ら居住するため住宅を借り受け」及び「配偶者又はパートナーシップ関係の相手方が居住するための住宅を借り受け」とは、職員の世帯員が借り受けた住宅に居住し、家賃を支払っている場合も含める。

(2) 住宅の所有者

職員の世帯員が所有する住宅を職員又は別の世帯員が借り受けた場合、支給対象にならない。

また、職員及び世帯員が所有権の移転を一定期間留保する契約により購入した住宅、又は譲渡担保の目的で債権者にその所有権の一時的な移転をしている住宅も支給対象にならない。

7 「家賃」について

(1) 家賃には次のものを含めない。

ア 権利金、敷金、礼金、保証金その他これらに類するもの

イ 電気、ガス、水道等の料金

ウ 団地内の児童遊園、外燈その他の共同利用施設に係る負担金(共益費)

エ 店舗付住宅の店舗部分その他これに類するものに係る借料

(2) 規則第4条の2に規定する「家賃の額が明確でない」場合における「家賃の額に相当する額」は、次に掲げる場合の区分に応じて、それぞれ次に定めるとおりとする。

ア 居住に関する支払額に食費等が含まれている場合はその支払額の100分の40に相当する額

イ 居住に関する支払額に電気、ガス又は水道の料金が含まれている場合はその支払額の100分の90に相当する額

ウ 職員と世帯員以外が住宅を共同名義で借り受けている場合でそれぞれの家賃負担額が明確でないときの家賃の額については、当該住宅に係る家賃の月額を共同名義人の人数で除して得た額(円位未満については切捨て)とする。

8 住居手当が支給されない職員

下記(1)から(3)までの職員には、住居手当が支給されない。

(1) 定年前再任用短時間勤務職員及び暫定再任用職員

(2) 教育職給料表の適用を受ける職員でその職務の級が5級以上である職員

(3) 事務職員給料表又は技術職員給料表(一)の適用を受ける職員でその職務の級が4級である職員

第2 確認及び決定事務について

1 確認について

第1の規定を基に下記(1)から(9)までの確認を行う。

(1) 第1の8に該当しない職員であることを確認する。

(2) 当該職員の世帯員を確定する。

(3) 当該職員が、主としてその収入で当該世帯の生計を維持していることを確認する。

(4) 当該職員が他から居住の利益を受けていないことを確認する。

(5) 当該職員が当該年度末35歳未満であることを確認する。

(6) 借家・借間に居住していることを確認する。

(7) 世帯員が所有している住宅ではないことを確認する。

(8) 当該職員又は世帯員が借り受けている住宅であることを確認する。

(9) 月額15,000円以上の家賃を支払っていることを確認する。

2 所属長による決定について

(1) 所属長は、職員から規則第3条の規定による届出があった場合においては、その事実を確認し、その者が当該要件を具備すると認めるときは、その者に住居手当を支給し、又は手当額の変更を行わなければならない。

(2) 「所属長」とは、区市町村立学校にあっては学校長、都立学校にあっては当該学校を管轄する東京都学校経営支援センターの給与主管課長、共同調理場にあっては共同調理場の長とする。

(3) 区市町村立学校長は、規則第4条に基づき確認、決定したときは、速やかに区市立、瑞穂町立、日の出町立、檜原村立及び奥多摩町立の学校にあっては区市町村教育委員会教育長、上記以外の町村立学校にあっては町村教育委員会経由のうえ教育庁出張所長に報告しなければならない。共同調理場の長についても同様とする。

なお、報告の様式は、住居届及び単身赴任手当受給者の住居手当に係る届と同様とする。

3 「届出」の際に添付する書類について

「当該要件を具備していることを証明する書類」は、原則として官公署の発行するものとし、所属長は実情に応じて証明書の発行者及び様式を指定することができる。

〈具体例〉

ア 添付する証明書は、職員の世帯の構成や収入の状況及び住宅の実情等に応じ、適宜指定することになるが、次に掲げるものが代表的なものであろう。

(ア) 「世帯」に係る証明書

住民票記載事項証明書(世帯主と世帯員との続柄が記載されたもの)・離婚協議書(写)・離婚申立書(写)

(イ) 「住居手当等」に係る証明書

住居手当等を受けていない旨の勤務先の証明書・給与明細書等

(ウ) 「公舎等」に係る証明書

公舎等に入居していない旨の勤務先の証明書・給与明細書・家屋の賃貸借契約書等

(エ) 「収入等」に係る証明書

*勤労所得 源泉徴収票・給与明細書(写)・給与支払証明書・退職証明書・雇用保険受給資格者証(写)・年金等の証明書等

*資産・事業所得等 所得税の確定申告書(控、税務署受理印済)(写)・所得税青色申告決算書(一般用、控、税務署受理印決)(写)・廃業証明書等

(オ) 「住宅」及び「家賃」に係る証明書

賃貸借契約書(写)・領収書等当該住宅に係る契約関係を明らかにする書類(写)

(カ) その他に係る証明書

イ 証明書の提出が届出時に間にあわないときは、届出受理の年月日を記入し、証明書の提出があるまで認定を保留することができる。

ウ 証明書のうち、親族関係を記載した証明書(上記具体例(ア)「世帯」に係る証明書)については、支給決定事務(決裁)終了後、速やかに本人に返還すること。親族関係を記載した証明書以外の証明書(上記具体例(イ)(ウ)(エ)(オ)(カ))については所属長の責任において厳重に保管すること。

4 「届出」の時期について

災害その他職員の責めに帰することができない事由により、職員が規則第3条の規定による届出を行うことができないと認められる期間は、同規則第5条ただし書の「15日」の期間に含まれないものとする。

5 支給対象にならない職員

下記アからウまでのように、虚偽又は形式的に支給要件を満たす者については、支給対象とはならないので注意すること。

ア 住居の実情が住民票上と結果的に相違するもの。

〈具体例〉

住所変更等の事実があるにもかかわらず、住民票の異動をなすことなく住居手当を受給している者

イ 住居手当の支給要件を形式的に満たしているもの。

〈具体例〉

内縁関係にある者が、同居中にもかかわらず、住民票上世帯分離することにより住居手当を受給している者

ウ 虚偽の住居手当受給の申請又は住民票記載の申請によるもの。

〈具体例〉

子弟の越境入学や住宅資金等の借受資格を得る等のため、住民票上虚偽の申請をし、それを住居手当の届出に利用したことにより住居手当を受給している者

第3 単身赴任手当受給者の住居手当についての取扱い

1 支給要件

(1) 単身赴任手当を受給していること

(2) 配偶者又はパートナーシップ関係の相手方(配偶者及びパートナーシップ関係の相手方のいずれもない職員にあっては満18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子。以下「配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等」という。)が公舎等(規則第2条第2項に規定するものをいう。以下同じ。)に居住していないこと

(3) 主としてその収入によって配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等を含む世帯の生計を支えており、かつ、他から住居手当又はこれに類する手当を支給されていないこと

(4) 満34歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であること

(5) 配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等が居住するための住宅を借り受け、月額15,000円以上の家賃を支払っていること

2 確認及び決定事務

条例第13条の3第1項第2号に係る住居手当(以下「単身赴任手当受給者の住居手当」という。)の支給決定においては、配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等が居住するための住宅について第2に準じて確認を行う。なお、条例第13条の3第1項第1号に係る住居手当の支給対象となっている職員が単身赴任手当受給者の住居手当の支給要件を満たしている場合、併せて支給することができる。

3 「単身赴任手当受給者の住居手当に係る届」について

(1) 届出

単身赴任手当受給者の住居手当の支給決定において確認する書類は、住居届、単身赴任届、別紙「単身赴任手当受給者の住居手当に係る届」及び添付書類である。下記アからウまでに該当する場合に届出を行う。

ア 新たに単身赴任手当受給者の住居手当の支給要件を具備した場合

イ 単身赴任手当受給者の住居手当の支給要件を欠いた場合

ウ 既に単身赴任手当受給者の住居手当を受給している職員で配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等が居住するための住宅に変更があった場合

なお、住居届の決裁欄は条例第13条の3第1項第1号に係る住居手当の支給決定の際に使用し、単身赴任手当受給者の住居手当の支給決定は(2)のとおりとする。

(2) 記載方法

(1)のアに該当した場合、「単身赴任手当受給者の住居手当に係る届」に手当支給の始期を記入し、住居届の備考欄に「第2号適用」と記入する。

(1)のウに該当した場合、転居後の住居が要件を満たすことを確認し、「単身赴任手当受給者の住居手当に係る届」の「2 配偶者又はパートナーシップ関係の相手方等の転居」欄に確認する。

(1)のイに該当した場合、既に提出されている「単身赴任手当受給者の住居手当に係る届」に「支給の終期」、「決定年月日」を記入するとともに、住居届の備考欄の「第2号適用」の記載を二重線で抹消する。

第4 その他

1 制度改正に伴う届出

規則附則第5項の規定に基づき、既に住居手当の対象となっている職員を含め、平成24年12月1日に住居手当の支給要件を満たしている職員の全てが届出を行う。また、当該職員の届出の期間は平成24年12月1日から30日以内に行う必要がある。

2 平成24年12月分の住居手当の取扱い

規則附則第6項の規定に基づき、平成24年12月分の住居手当は平成25年1月の給料の支給日と同日に支給する。

第5 実施時期

令和5年4月1日

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住居手当の取扱いについて

平成24年11月30日 教人勤第215号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
人事部勤労課
沿革情報
平成24年11月30日 教人勤第215号
平成27年3月31日 教人勤第293号
平成31年3月29日 教人勤第334号
令和2年3月31日 教人勤第409号
令和2年12月25日 教人勤第243号
令和4年10月31日 教人勤第267号
令和5年3月31日 教人勤第435号