○東京都立高等学校等における給付型奨学金の交付に関する要綱
平成29年4月25日
29教学高第228号
教育長決定
(目的)
第1条 この要綱は、東京都立高等学校等に在学する生徒(以下「生徒」という。)が家庭の経済状況にかかわらず、自ら望む教育活動を選択可能とし、生徒の主体的な教育活動への参加機会を確保するため、給付型奨学金(以下「給付金」という。)の交付について必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 高等学校等 高等学校等就学支援金の支給に関する法律(平成22年法律第18号。以下「法」という。)第2条第1号、第2号及び第4号に規定する高等学校等のうち、東京都立産業技術専門学校及び私立の高等学校等を除いた学校をいう。
(2) 保護者等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第16条に規定する保護者又は生徒に保護者がいない場合は当該生徒(生徒が主として他の者の収入により生計を維持している場合には、その者)をいう。
(3) 区市町村民税所得割額及び都道府県民税所得割額 地方税法(昭和25年法律第226号)第5条の規定による市町村民税(同法の規定による特別区民税を含む。)の同法第292条第1項第2号に掲げる所得割(同法第328条の規定によって課する所得割を除く。)の額及び同法第4条の規定による道府県民税の同法第23条第1項第2号に掲げる所得割の額の合算額をいう。
(交付対象者)
第3条 給付金の交付対象者は、都立若しくは区立高等学校等に在学する生徒又は都内に住所を有し、かつ、都内に存する国立高等学校等(国の設置する高等学校等をいう。以下同じ。)に在学する生徒で、原則として次の各号に掲げる世帯のいずれかに属する生徒とする。
(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)第19条第1項の規定による保護の実施を受けている世帯
(2) 給付金の申請があった年度の前年度分の保護者等の区市町村民税所得割額及び都道府県民税所得割額の合算(保護者等が2人以上いるときは、その全員の区市町村民税所得割及び都道府県民税所得割の額を合算した額。以下同じ。)が非課税である世帯(前号に規定する世帯を除く。)
(3) 給付金の申請があった年度の前年度分の保護者等の区市町村民税所得割額及び都道府県民税所得割額の合算が85,500円未満である世帯(前2号に規定する世帯を除く。)
(1) 休学又は留学の許可を受けている場合
(2) 過去に国公私立を問わず、法第2条に規定する高等学校等(修業年限が3年未満の者を除く。)を卒業又は修了したことがある場合
(3) 「児童福祉法による児童入所施設措置費等国庫負担金について(平成11年4月30日厚生省発児第86号)」による措置費等の支弁対象となる生徒であって、見学旅行費及び特別育成費のうち加算分(母子生活支援施設の生徒を除く。)が措置されている場合
(申請、受給資格認定及び決定等)
第4条 給付金の支給を受けようとする生徒(以下「申請者」という。)は、委任状を作成し、給付金に係る交付申請、請求及び受領その他一切の手続について、在学する都立高等学校等の校長(以下「校長」という。)に権限を委任する。
2 申請者は、東京都教育委員会(以下「委員会」という。)が別に定める期日までに、東京都立高等学校等給付型奨学金の受給に係る申請書(別記第1号様式)及び課税証明書等(区市町村民税所得割額及び都道府県民税所得割額を明らかにすることのできる区市町村の長の証明書その他の書類をいう。以下同じ。)を、校長に提出しなければならない。
ただし、個人番号カードの写し等(行政手続きにおける特定個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カードの写しその他の書類をいう。以下同じ。)を提出することにより、課税証明書等の提出があったものとみなす。
3 前項の規定に基づき申請者から申請を受けた校長は、給付金に係る受給資格の可否を審査し認定する。また、その内容を申請者に通知しなければならない。
(認定対象期間)
第5条 前条第3項の規定により認定される期間は、生徒から申請があった日から当該年度の3月末日までとする。
2 知事は第1項の通知に際して必要な条件を付することができる。
(交付対象経費)
第8条 保護者等の負担する経費のうち、次の各号に掲げる要件のいずれかを満たす経費を給付金の交付対象とする。
(1) 生徒が在籍する学校の教育課程に基づく教育活動のうち、生徒の選択により生ずる経費であること。
(2) 生徒が在籍する学校の教育課程に基づく教育活動のうち、学習成果を明らかにする等、希望する進路の実現に資するために必要な経費であること。
(3) その他、学校の申告により委員会が給付を適当と認めた経費であること。
(2) 第3条第1項第3号に規定する世帯 交付限度額30,000円
(交付対象期間)
第10条 前条に規定する交付限度額は、生徒から申請のあった日から当該年度の3月末日までに支給される額について適用するものとする。
ただし、給付金を受ける年度の前年度中に申請を行う場合は、給付金を受ける年度を交付対象期間とする。
(支給方法)
第11条 知事は、第7条に規定する交付決定に基づき、都の予算の範囲内において、代理人に対して、東京都会計事務規則(昭和39年東京都規則第88号)第83条第1項第4号に規定する経費として、概算払いを行う。
2 給付金の支給は、原則として現物給付とする。
(区立及び国立高等学校等の手続)
第12条 区立及び国立高等学校等の校長が行う手続等について必要な事項は、都立学校教育部長が別に定める。
(事業の経理等)
第13条 代理人は、交付金の管理について、善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
2 代理人は、交付金の経費について、帳簿及びすべての証拠書類備え、他の経理と明確に区分して管理し、常にその収支の状況を明らかにしておかなければならない。
3 代理人は、前項の帳簿及び証拠書類を事業の完了の属する年度の終了後5年間、知事の要求があったときは、いつでも閲覧に供せるよう保存しておかなければならない。
(状況報告)
第14条 代理人は、知事の求めに応じて、事業遂行の状況に関し報告しなければならない。
(精算)
第17条 代理人は、前条に規定する給付型奨学金確定通知書を受領したときは、委員会が別に定める期日までに、給付金の精算を行うこととする。
(受給資格の消滅)
第18条 受給権者が、在学する高等学校等の卒業、中途退学、転学、休学、留学、修業年限が3年未満の卒業等により受給事由を失った場合には、事由発生日の属する月の翌月から受給資格が消滅する。
(交付決定の取消し)
第19条 知事は、受給権者が次の各号のいずれかに該当する場合は、交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1) 偽りその他不正の手段により給付金の交付を受けたとき。
(2) 給付金の交付の決定内容又はこれに付した条件その他法令に違反したとき。
(返還)
第20条 知事は、前条の規定により給付金の交付の決定を取り消した場合は、既に交付した給付金の全部又は一部の返還を命じることができる。
(違約加算金及び延滞金)
第21条 知事は、前条の規定により、給付金の返還を命じたときは、当該命令に係る生徒に対して、給付金の受領の日から納付日までの日数に応じて、給付金の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については既納付額を控除した額)につき、年10.95パーセントの割合で計算した違約加算金(100円未満の場合を除く。)を納付させるものとする。
2 知事は、給付金の返還を命じた場合において、当該命令に係る生徒がこれを定められた納期日までに納入しなかったときは、当該生徒に対して、納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ、その未納付額につき、年10.95パーセントの割合で計算した延滞金(100円未満の場合を除く。)を納付させなければならない。
3 前2項に定める年当たりの割合は、うるう年を含む期間についても、365日当たりの割合とする。
(違約加算金の計算)
第22条 知事は、前条第1項の規定により違約加算金の納付を命じた場合において、当該命令に係る保護者等の納付した金額が返還を命じた給付金の額に達するまでは、その納付金は、まず当該返還金を命じた給付金の額に充てるものとする。
(延滞金の計算)
第23条 知事は、第21条第2項の規定により、延滞金の納付を命じた場合において、返還を命じた給付金の未納額の一部が納付されたときは、当該納付の日の翌日以後の期間に係る延滞金の基礎となる未納額は、その給付金額を控除した額によるものとする。
(他の補助金等の一時停止等)
第24条 生徒に給付金の返還を命じ、生徒が当該給付金、違約加算金又は延滞金の全部若しくは一部を納付しない場合において、その者に対して同種の事務又は事業について交付すべき補助金等があるときは、相当の限度においてその交付を一時停止し、又は当該給付金等と未納額を相殺するものとする。
(その他)
第26条 この要綱に定めるもののほか、給付金の交付に関して必要な事項は、都立学校教育部長が別に定める。
附則
この要綱は、平成29年7月1日から施行する。
附則(平成30年29教学高第2071号)
1 この要綱は平成30年1月23日から施行する。
2 平成30年度の申請において、前年度の課税証明書を用いる場合は、改正後の要綱第3条第1項第3号中「区市町村民税所得割額及び都道府県民税所得割額の合算が85,500円」とあるのは「区市町村民税所得割額が51,300円」とする。
附則(平成31年30教学高第2214号)
この要綱は平成31年1月29日から施行する。
別記