○自殺対策基本法の一部を改正する法律の施行について

平成28年5月18日

28教指企第232号

区市町村教育委員会教育長

このことについて、平成28年4月27日付28文科初第219号にて、別添写しのとおり、文部科学省初等中等教育局長、生涯学習政策局長、高等教育局長から通知がありました。

都教育委員会では、これまで平成28年4月4日付28教指企第29号「児童・生徒の自殺防止の取組の徹底について(通知)」等を通じて自殺防止の徹底を図ってきたところですが、本改正法の施行に伴い、貴管下の学校における自殺防止対策の一層の推進をお願いします。

1 学校の取組に係る主な改正内容

(1) 目的(第1条関係)【追加】

(前略)誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、これに対処していくことが重要な課題となっていることに鑑み、(後略)

(2) 基本理念(第2条関係)【追加】

○ 自殺対策は、生きることの包括的な支援として、全ての人がかけがえのない個人として尊重されるとともに、生きる力を基盤として生きがいや希望をもって暮らすことができるよう、その妨げとなる諸要因の解消に資するための支援とそれを支えかつ推進するための環境の整備充実が幅広くかつ適切に図られることを旨として、実施されなければならない。

○ 自殺対策は、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施設との有機的な連携が図られ、総合的に実施されなければならない。

(3) 心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進等(第17条関係)【新設】

学校は、当該学校に在籍する児童、生徒等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、当該学校に在籍する児童、生徒等に対し、各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵養等に資する教育又は啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育又は啓発その他当該学校に在籍する児童、生徒等の心の健康の保持に係る教育又は啓発を行うよう努めるものとする。

2 参考資料

「子供に伝えたい自殺予防(学校における自殺予防教育導入)」及び「子供の自殺等の実態分析」

文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知(平成26年7月1日付26初児生第27号)

別添写し

28文科初第219号

平成28年4月27日

/各都道府県教育委員会教育長/各指定都市教育委員会教育長/各都道府県知事/各国公私立大学長/各公私立短期大学長/各国公私立高等専門学校長/独立行政法人国立高等専門学校機構理事長/小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長/大学を設置する各学校設置会社の代表取締役/殿

文部科学省初等中等教育局長

文部科学省生涯学習政策局長

文部科学省高等教育局長

このたび、別添1のとおり、「自殺対策基本法の一部を改正する法律」(平成28年法律第11号。以下「改正法」という。)が平成28年4月1日をもって施行されました。

この改正法は、自殺対策の一層の推進を図るため、自殺対策が生きることの包括的な支援として実施されるべきこと等を基本理念に明記するとともに、都道府県自殺対策計画及び市町村自殺対策計画の策定等について定めるほか、これまでの基本的施策を拡充し、自殺対策の推進につき必要な組織の整備を図ることを定めるものです。

改正法の制定の経緯、概要は別添1のとおりですので、貴職におかれては今回の改正法について十分了知されるとともに、学校(専修学校及び各種学校を含む。)等においては、改正法の内容のうち、特に下記の事項について留意願います。

また、このことについて、都道府県教育委員会及び指定都市教育委員会にあっては所管の学校(専修学校及び各種学校を含む。)及び域内の市区町村教育委員会に対して、都道府県知事にあっては所轄の私立学校(私立専修学校及び私立各種学校を含む。)に対して、附属学校を置く各国立大学にあっては附属学校に対して、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長にあっては認可した学校に対して、周知を図るよう、特段の御配慮をお願いします。

1.関係者の連携協力について(第8条関係)

国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校(学校教育法第1条に規定する学校をいい、幼稚園及び特別支援学校の幼稚部を除く。以下同じ。)、自殺対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者は、自殺対策の総合的かつ効果的な推進のため、相互に連携を図りながら協力すること。

2.人材の確保について(第16条関係)

国及び地方公共団体が自殺対策に係る人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるに当たっては、大学、専修学校、関係団体等との連携協力を図るものとされているが、例えば、自殺対策に係る人材の養成において、国及び地方公共団体が大学、専修学校等と連携しつつ、教育プログラムを実施していくことが考えられること。

3.心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進等について(第17条関係)

(1) 国及び地方公共団体は、心の健康の保持に係る施策で大学及び高等専門学校に係るものを講ずるに当たっては、それらの教育の特性に配慮しなければならないものとされているが、具体的には、大学及び高等専門学校における教育活動等の自主性に配慮して、当該施策を推進する必要があること。

(2) 学校は、当該学校に在籍する児童、生徒等の保護者、地域住民その他の関係者と連携を図りつつ、当該学校に在籍する児童、生徒等に対し、各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵養等に資する教育又は啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育又は啓発その他当該学校に在籍する児童、生徒等の心の健康の保持に係る教育又は啓発を行うよう努めることとされている。これらの教育又は啓発を進めるに当たっては、例えば、平成26年7月1日付け文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知(26初児生第27号)において周知した「子供に伝えたい自殺予防(学校における自殺予防教育導入の手引)」を活用することが考えられること。なお、学校において児童、生徒等を対象とした自殺予防教育を実施する際は、実施前に関係者間で合意を形成しておくなど、適切な前提条件を整えた上で行うこと。

(添付資料)

○別添1 平成28年3月31日付け内閣府政策統括官(共生社会政策担当)通知「自殺対策基本法の一部を改正する法律の公布について」

○別添2 平成26年7月1日付け文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議の審議のまとめ「子供に伝えたい自殺予防」及び「子供の自殺等の実態分析」について」(文部科学省児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議「子供に伝えたい自殺予防(学校における自殺予防教育導入の手引)」を添付)

自殺対策基本法の一部を改正する法律の施行について

平成28年5月18日 教指企第232号

(平成28年5月18日施行)

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指導部指導企画課
沿革情報
平成28年5月18日 教指企第232号