○学校の教育活動再開後及び令和2年度の健全育成に係る取組について

令和2年5月22日

2教指企第237号

区市町村教育委員会指導事務主管課長

このことについて、長期にわたる学校の休業により、学校再開後においても様々な不安やストレスを抱える児童・生徒や、保護者の経済状況など家庭環境に変化が生じる児童・生徒の増加が見込まれます。

ついては、下記のとおり、各学校の状況に応じて、いじめ防止や不登校施策、自殺予防等、健全育成に係る取組が適切に行われるよう、管下の学校に指導・助言をお願いします。

また、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長から別添写しのとおり、令和2年5月14日付事務連絡「児童生徒の心のケアや環境の改善に向けたスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーによる支援の促進等について」により通知がありましたので、御連絡します。

1 学校の教育活動再開後に実施する取組について

(1) 支援が必要な児童・生徒の発見に向けた取組

支援が必要と思われる児童・生徒の早期発見・早期対応のために、以下参考資料等を活用し、学校再開後すぐに、全ての児童・生徒のストレス度を把握する(別紙1参照)とともに、教職員が児童・生徒の小さな変化を見逃さないようにするための取組(別紙2参照)を行う。

その上で、子供の気になる様子について教職員間で情報を共有するとともに、必要な児童・生徒から、スクールカウンセラーによる面接を実施する。また、必要に応じて、福祉等の関係機関と連携するなど、適切な役割分担により対応する。

【参考資料】

ア 児童・生徒向けアンケート例(別紙1)

イ 教職員向けチェックリスト(別紙2)

(2) 感染症に関連する偏見や差別、いじめを生まないための指導の徹底

感染者、濃厚接触者とその家族等に対する偏見や差別につながるような行為をしないこと、医療や社会生活を維持する業務の従事者等、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために最前線で尽力している人々に感謝の念をもつことについて、新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識を基に、発達の段階に応じた指導を行う。

具体的には、臨時休業明け当初に、新型コロナウイルス感染症に起因するいじめ等の防止の観点から、別紙3の「講話例」等を参考に、校長等が講話を行う機会を設ける。その際、全校放送等で講話を行うなど、感染症対策を十分に講じる。

また、感染者、濃厚接触者等に対する偏見や差別の防止に向けた指導を継続的に行う。

(3) 学校・家庭・地域の連携による「子供が安心して相談できる環境」の構築

全ての児童・生徒に、別紙4「相談窓口一覧」を配布し、どんなに小さなことでも心配なことがある場合は、身近にいる信頼できる大人や24時間受付の「東京都いじめ相談ホットライン」等の相談機関に相談するよう伝える。さらに、学校だより等により、保護者や地域に対して、学校再開後の家庭における児童・生徒の見守りについて依頼するとともに、児童・生徒に少しでも気になる様子が見られる場合は、学校や相談機関に相談するよう周知する。

2 令和2年度末までの健全育成に係る取組について

(1) いじめアンケートの実施

新型コロナウイルス感染症に起因するいじめが、中・長期的に発生する恐れがあることから、いじめアンケートを、従来と同様、年3回以上実施する。なお、1(1)で実施するアンケートは、そのうちの1回とする。

(2) いじめに関する授業及び研修

従来、いじめに関する授業及び研修を年3回以上実施することとしているが、令和2年度においては、学校の状況に応じて、それぞれ年2回以上実施する。

(3) スクールカウンセラーによる全員面接

従来、小学校第5学年、中学校第1学年、高等学校第1学年を対象として、「原則として、年度始めから夏季休業前までを目途として実施する」としているが、令和2年度においては、期日を設けず、必要な児童・生徒から実施するなど学校の実態に応じて実施する。なお、全員面接支援スタッフの追加派遣が必要な場合は、別途、手続きを行う。

(4) SOSの出し方に関する教育の実施

「不安や悩みを抱えたときに、身近にいる信用できる大人に相談することの大切さ」について、校長講話、学級指導、相談窓口連絡先一覧の配布時などの機会を捉えて全ての児童・生徒に折に触れて指導する。

(5) ふれあい(いじめ防止強化)月間の実施

6月のふれあい(いじめ防止強化)月間は中止とし、11月のみ行うこととする。各学校は、年間を通して、いじめ、自殺、暴力行為等の問題行動、不登校等の未然防止、早期発見・早期対応等に向けた具体的な取組を行う。

(6) 児童虐待防止に向けた取組

校内研修会等で、児童虐待防止研修セットを活用することにより、児童・生徒を虐待から守り、早期発見、通告義務等について全教職員の理解を深める。

(7) セーフティ教室の実施

例年、児童・生徒の健全育成の充実を図るとともに、学校・家庭・地域社会の連携による非行防止・犯罪被害防止教育を推進するため、保護者・地域住民の参加のもと、セーフティ教室を実施しているが、令和2年度については、年間を通じて様々な場面で非行防止・犯罪被害防止について指導を行うなど、学校の実態に応じて工夫して実施する。

3 その他

参考として、「学校の臨時休業に伴う令和2年度の健全育成に係る年間計画例」を送付しますので、適宜御活用ください。

学校の教育活動再開後及び令和2年度の健全育成に係る取組について

令和2年5月22日 教指企第237号

(令和2年5月22日施行)

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令和2年5月22日 教指企第237号