○全ての都立高等学校、中等教育学校で実施する地域との連携を強化した防災教育ガイドライン

令和3年3月2日

2教指高第470号

全ての全日制課程の都立高等学校及び、中等教育学校の後期課程、並びに一部の定時制課程の都立高等学校(以下「都立高等学校等」という。)で実施する地域との連携を強化した防災教育を実施する際のガイドラインを定める。

第1(趣旨)

地域との連携の更なる強化や様々な災害を想定した防災教育の更なる充実を図り、生徒が自然災害から身を守り、被災しても乗り切る能力や他者や地域の安全を支える能力を身に付けることを目的に、都立高等学校等において、地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練を実施する。

また、自校の防災教育の中核として、防災に関する取組の企画・立案・運営補助ができる生徒や、普段から地域の防災活動に参画するなどして発災時に地域に貢献できる生徒を育成することを目的に、各都立高等学校等に防災活動支援隊を編成する。なお、防災活動支援隊の構成は、防災委員や生徒会役員等の生徒により組織し、構成員の人数については、校長が定める。

第2(実施内容)

(1)地域と連携した防災訓練

地域と共に初期消火訓練の実施や防災講話の聴講、東京マイ・タイムラインを活用した取組等、地域と連携した防災訓練を実施する。訓練の実施に際しては、消防署、警察署、自衛隊、日本赤十字社、水道局、学校が所在する自治体の防災担当課、町内会や地元消防団等と連携し、より体験的実践的な内容とする。

(2)避難所設営・運営訓練

学校が所在する自治体の防災担当課から助言を受けながら、避難者の受付や誘導等、避難所設営・運営の補助体験をする避難所設営・運営訓練を実施する。また、その中で備蓄食料の炊き出しや喫食体験等を実施する。避難所設営・運営訓練では、避難所のみならず、学校が東京都帰宅困難者対策条例に基づく「一時滞在施設」や「災害時帰宅支援ステーション」が開設された場合も想定した内容とする。

第3(実施の規模)

地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練は、都立高等学校等において実施するものとする。

2 地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練は、1箇学年生徒及び防災活動支援隊を対象として学校ごとに実施する。

3 各都立高等学校等は、地域と連携した防災訓練と避難所設営・運営訓練を別日に実施することもできる。

第4(実施場所)

地域と連携した防災訓練は、校内または校外において行うこととする。

2 避難所設営・運営訓練は、原則として校内で行うこととする。

第5(事前の計画と届出)

地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練については、事前・事後学習を含めた意図的・計画的なものとして実施する。

2 各学校は、地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練を都立高等学校等で年間4回以上実施する避難訓練の一環として教育課程に位置付けて実施計画を立案し、事前に実施計画書を東京都教育委員会に届け出る。

第6(事前学習)

実施に当たっては、事前学習等を行い、その意義を生徒に十分理解させ、「自然災害から身を守り、被災しても乗り切る能力や他者や地域の安全を支える能力を身に付ける」ことをねらいとして、自ら課題を見出し、その解決ができるように指導する。

第7(校内体制)

各都立高等学校等は、地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練の円滑な実施のために、緻密な実施計画を策定するとともに適正な校内体制を構築し、生徒への的確な指示と行動ができるようにする。

2 実施に当たっては、消防署、警察署、自衛隊、日本赤十字社、水道局、学校が所在する自治体の防災担当課、町内会や地元消防団等に対し、各都立高等学校等が主体となって適切に連携を行う。

なお、各都立高等学校等は、消防署、警察署、自衛隊等と連携した防災講話の実施や消防庁と連携した上級救命講習等について、指導部高等学校教育指導課が通知する連携校の募集を積極的に活用する。

第8(実施上の工夫)

各都立高等学校等は、学校が立地する地域の特性や実態を踏まえ、以下に示す例を参考にして取組を行う。

(1)地域と連携した防災訓練

ア 町内会、地元消防団等と連携し、初期消火訓練等を実施する。

イ 学校が所在する自治体の防災担当課等が実施する総合防災訓練に参加する。

ウ 消防署、東京防災救急協会等と連携し、普通救命講習や上級救命講習を実施する。

エ 消防署、警察署、自衛隊等と連携し、町内会等と共に防災講話を聴講する。

オ 消防署等と連携し、町内会等と共に災害図上訓練(DIG)を行う。

(2)避難所設営・運営訓練

ア 学校が所在する自治体の防災担当課と連携し、避難所設営計画を立案する。

イ 町内会と連携し、防災活動支援隊を受付や誘導担当としたり、1箇学年生徒や地域の方を避難者役として、避難所設営・運営の補助体験をする。

第9(留意事項)

実施に当たっては、防災活動支援隊を企画・立案や運営補助に関与させるなどして、地域に貢献できる人材の育成を図る。

2 実施に当たっては、生徒各自の持ち物以外には保護者に経済的な負担をかけないよう工夫する。

3 避難所設営・運営訓練時の食事は、原則として非常災害用備蓄食糧の使用を基本とする。

4 避難所設営・運営訓練時に使用する飲料水は、前年度までに指導部高等学校教育指導課が各高等学校等に配布した非常災害用備蓄飲料水を使用する。使用した飲料水は、同数を指導部高等学校教育指導課が購入し、各都立高等学校等に配布する。

第10(事後学習)

地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練においては、自ら発見した課題の解決に向けた話合い等の振り返り学習などの事後学習の充実を図る。

第11(報告)

各都立高等学校等は、地域と連携した防災訓練及び避難所設営・運営訓練実施後、指導部高等学校教育指導課が示す様式により、実施報告書を提出する。

第12(施行年月日)

令和3年4月1日

全ての都立高等学校、中等教育学校で実施する地域との連携を強化した防災教育ガイドライン

令和3年3月2日 教指高第470号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
指導部高等学校教育指導課
沿革情報
令和3年3月2日 教指高第470号