○都立学校職員の海外旅行について

平成一二年三月三一日

一一教人職第九一二号

都立学校長

都立学校職員の海外旅行について下記により取り扱うこととしたので、通知します。

一 目的

この基準は、東京都立学校職員服務規程(昭和六三年東京都教育委員会訓令第八号)第一三条第二項に基づき教員等の海外旅行について許可しうる基準を示し、教員等の海外旅行許可制度の適正な運用を図ることにより、授業等の学校教育活動に支障が出ることを防止し、教員の服務規律を確保することを目的とする。

なお、この基準でいう海外旅行とは、本人の願い出に基づく本邦と外国との間の旅行及び外国における旅行を総称するものであり、外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例(昭和六三年東京都条例第一二号)に基づく海外への派遣、出張命令(研修出張も含む)による海外旅行については、この基準に基づく許可等を要さない。

二 対象となる職員

都立学校に勤務する常勤の職員で、教育公務員特例法(昭和二四年法律第一号)第二条により教育公務員とされる者(教育公務員特例法施行令(昭和二四年政令第六号)第九条による準用規定の適用がある者を含む。以下「教員等」という。)を対象とする。

三 事務職員等の取扱い

(一) 都立学校に勤務する常勤の職員で、教員等に該当しない職員が海外旅行を行う場合については、東京都立学校職員服務規程(昭和六三年東京都教育委員会訓令第八号)第一三条第一項に基づき、必ず事前に校長又は経営企画室長に届け出ること。年次休暇によるもの及び結婚休暇によるものは、原則として出発予定日の二〇日前までに届出を行う等、学校運営に支障のないように注意すること。

(二) 届出の様式について、この基準においては特に定めないが、各所属において様式を作成している場合は、その様式を用いることは妨げない。

四 海外旅行の区分

海外旅行は、その旅行の目的等により次のとおりとする。

(一) 職免による海外旅行

ア 教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修による場合

(ア) 研修計画について、所属長が学校運営上の支障の有無及び内容が研修に値するかどうか等を考慮し、教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修として承認した場合の海外旅行をいう。

(イ) 教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修による海外旅行は、長期休業期間中のみ認められるものである。

(ウ) 帰国後は、研修の日数に関係なく、研修を行った者(旅行者)は、研修報告書を所属長に必ず提出すること。

イ 国、地方公共団体、公益団体等からの派遣依頼に基づく場合

(ア) 国、又は他の地方公共団体、その他の公共団体、又はその職務と関連を有する公益に関する団体から派遣依頼を受けた場合で、原則として依頼者が旅行費用を全額負担する場合をいう。

(イ) 視察、スポーツ大会参加、講習会参加、国際会議出席等があげられる。

(ウ) 公益に関する団体からの派遣の場合には、職免の扱いは四週間を通じて六日を超えることはできない。

(二) 休職による海外留学

ア 都教育委員会は、教員等が外国の政府又はこれに準じる公共的機関の招きにより留学する場合、その他都教育委員会が特に認める場合には、職員の休職の事由等に関する規則(昭和二七年東京都人事委員会規則第一一号)第二条第一号に基づき、休職として取扱うことができる。(いわゆる「学術休職」)

(三) 年次休暇による海外旅行

ア 休業期間外は七日以内を原則とし、休業期間中は付与された年次休暇の残日数の範囲内とする。

イ 取扱い例

(ア) 休業期間外の場合

<ケース一>

年休

年休

年休

×

×

年休

1

2

3

4

5

6

7

◎:休日 ×:週休日

旅行期間の途中の週休日及び休日(以下「休日等」という。)は、これを含めて七日以内とする。

<ケース二>

×

年休

年休

年休

年休

年休

×

×

 

1

2

3

4

5

6

7

 

◎:休日 ×:週休日

旅行期間の始め及び最後の休日等は期間に含めないことができる。

<ケース三>

×

年休

年休

年休

年休

年休

×

×

 

1

2

3

4

5

6

7

○:勤務時間が割り振られた日 ×:週休日

旅行の出発日に勤務時間終了まで勤務し、その後出発する場合は、当該出発日は旅行期間に含めないことができる。この場合、出発日の翌日を旅行期間の始めとみなして前記<ケース二>の取扱いをすることもできる。

ただし、帰国日については同様の取扱いはしないものとする。

(イ) 休業期間外に慶弔休暇(結婚休暇)と年次休暇を接続させる場合

×

年休

年休

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

○:勤務時間が割り振られた日 ×:週休日

休日等を含めて一〇日以内(休日等が旅行期間の始め又は最後であっても一日で計算する。)ただし、旅行の出発日に勤務時間終了まで勤務し、その後、出発する場合は、当該出発日は旅行期間に含めないことができる。

(ウ) 慶弔休暇(結婚休暇)と休業期間中の年次休暇、休日等を接続させる場合

×

年休

休業期間外

休業期間中

◎:休日 ×:週休日

慶弔休暇(結婚休暇)と休業期間中の年次休暇を接続する場合、年次休暇は残日数の範囲内とし、休業期間中は休日等が間に入っていても差し支えない。

なお、この場合、教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修を接続させることはできない。

(エ) 休業期間中の年次休暇と休業期間外の年次休暇を接続させる場合

休業期間外の場合と同様に取り扱う。

この場合、終業式や始業式等の重要な学校行事については、十分に配慮すること。

休業期間中の教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修と休業期間外の年次休暇を接続させることは認められない。

(オ) 休業期間中に教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修と年次休暇を接続する場合

途中で家族等と合流する場合や研修の合間に観光をする等の理由で年次休暇を取得することは差し支えない。

ただし、教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修と慶弔休暇を接続させることはできない。

(四) 慶弔休暇による海外旅行

ア 結婚休暇による場合

(ア) 結婚休暇の範囲内であれば許可を要しない。

この場合、休暇・職免等処理簿及び旅行届により処理すること。

原則として、休業期間外は出発日の二〇日前までに、また、休業期間中は出発日の一〇日前までに届出を行う等、学校運営に支障のないように注意すること。

年次休暇を接続させる場合でなければ、結婚休暇の前後に休日等があるとき及び旅行の出発日に勤務時間終了まで勤務しその後出発するときについても同様の取扱いとする。

(イ) 慶弔休暇(結婚休暇)と教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修を接続させての海外旅行を許可することはできない。

間に休日等を挟んだとしても認めることはできない。

[不許可の例]

―研修―休日―週休日―慶弔休暇―

イ その他の慶弔休暇の場合

慶弔休暇に必要旅行期間を加えた日数の範囲内であれば許可を要しない。

なお、観光等のために年次休暇と接続すること、教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修と接続することは認められない。

(五) 特別な事情がある場合

都立学校において、前記(一)から(四)までの取扱いにより難い特別の事情があると認められる場合は、許可権者は、担当する学校経営支援センター経営支援室長又は学校経営支援担当課長の意見を聞き、許可・不許可につき決定することができる。

五 許可権者

(一) 休業期間中のみの海外旅行及び慶弔休暇と休業期間中の年次休暇を接続させる海外旅行(許可を要さない場合を除く。)の場合

旅行者

許可権者

校長

担当する学校経営支援センター学校経営支援担当部長

副校長

校長

校長及び副校長以外の教員等

副校長

(二) 休職による海外旅行

東京都教育委員会(発令権者)

(三) その他の海外旅行

担当する学校経営支援センター学校経営支援担当部長

(四) 留意事項

出発日に勤務時間終了まで勤務し、その後出発する場合及び出発日又は帰国日が休日等に該当する場合は、当該日を除外して(一)にあたるか、(三)にあたるかを判断すること。

六 緊急時の仮許可

(一) 教員等(校長を除く。)が、親族の急病等により急遽海外旅行する必要が生じたときは、校長は当該旅行につき口頭又は文書で仮許可をすることができる。

(二) 校長が、親族の急病等により急遽海外旅行する必要が生じたときは、担当する学校経営支援センター学校経営支援担当部長は当該旅行につき口頭又は文書で仮許可をすることができる。

(三) 許可権者が担当する学校経営支援センター学校経営支援担当部長である海外旅行について、校長が所属の教員等に対して緊急時の仮許可を行ったときは、速やかに東京都教育委員会教育長にその旨報告しなければならない。

(四) 都教育委員会は、当該仮許可に関し、旅行期間、服務上の取扱い等について変更等の指示を校長に行うことができる。

(五) 報告を受けてから五日以内にこの指示のない場合は、仮許可をもって許可があったものとみなす。

七 注意事項

(一) 教員等は、海外旅行をしようとするときは、児童・生徒・保護者等への配慮を十分に行い、児童・生徒の指導の日程や終業式、始業式、その他学校全体に及ぶような重要な行事の日程に重ならないようにしなければならない。

(二) 特に休業期間外の年次休暇による海外旅行については、児童・生徒、保護者等が不安を持つことのないよう、時期及び期間等について、十分配慮すること。

(三) 教員等は、海外旅行に際し、児童・生徒及び保護者等からいかなる名目であっても金品等を受けてはならない。また、都民の疑感を招く恐れのあるような言動のないように十分注意すること。

(四) 校長は、所属の教員等が海外旅行の許可を申請した場合は、その内容及び学校運営上の支障の有無等を十分検討した上で、担当する学校経営支援センター学校経営支援担当部長に副申するものとする。

ただし、校長及び副校長が許可権者又は旅行者の場合、副申は不要である。

(五) 校長は、所属の教員等の海外旅行について、学校運営上の支障の有無を検討するにあたっては、旅行の日程が終業式や始業式等重要な学校行事と重なっていないか、授業等児童・生徒の指導に影響は出ないか、旅行者が学校に不在となることについて保護者等への配慮が十分行われているか等、特に考慮しなければならない。

(六) 許可願は原則として、休業期間外は出発日の二〇日前までに、また、休業期間中は出発日の一〇日前までに届出を行うこととし、旅行は許可書を受理してから出発すること。

(七) 休日等のみの海外旅行については、休業期間中の年次休暇による海外旅行の例により取り扱うこと。

(八) 休業期間中の教育公務員特例法第二二条第二項に基づく研修による海外旅行については、校長は、その内容が真に研修に値するものであるかどうかを確認すること。

観光、レジャースポーツ、家族旅行等は年次休暇で行くべきものであり、研修計画書を提出したからといって研修扱いとなるわけではない。

八 その他

(一) 施行年月日

平成一二年四月一日

(二) 経過措置

平成一二年三月三一日までに従前の取扱いにより許可された平成一二年四月一日以降に係る海外旅行については、この基準により許可したものとみなす。

本通知の一部改正は、平成一五年五月一日から施行する。

本通知の一部改正は、平成一七年八月一九日から施行する。

本通知の一部改正は、平成一八年四月一日から施行する。

本通知の一部改正は、平成二〇年四月一日から施行する。

(令和三年二教人職第二九七〇号)

本通知の一部改正は、令和三年四月一日から施行する。

(令和五年四教人職第三三七四号)

本通知の一部改正は、令和五年四月一日から施行する。

教員等の海外旅行取扱い基準

大区分

小区分

期間

提出書類

備考

職免

教特法22条2項研修

(承認研修)

休業期間の範囲内

①許可願(別紙様式1)

②日程表(別紙様式3)

③研修計画書

④研修報告書(帰国後、様式任意)

休業期間中のみ

国、地方公共団体、公益団体からの派遣依頼

必要期間

①許可願(別紙様式1)

②副申書(別紙様式2)

③日程表(別紙様式3)

④招聘状、委嘱状等で職務内容及び期間を明示したものの写し

⑤旅行費用を派遣依頼者が負担することを証明する書類

公益に関する団体からの依頼による場合、職免の扱いは4週間を通じて6日以内

休職

留学

「教員等の休職による海外留学の取扱いについて」(平成12年3月31日付11教人職第901号通知)による。

年次休暇

休業期間外

7日以内

①許可願(別紙様式1)

②副申書(別紙様式2)

③日程表(別紙様式3)

慶弔休暇(結婚休暇)と接続する場合は全期間が10日以内

休業期間中

年次休暇の範囲内

①許可願(別紙様式1)

②日程表(別紙様式3)

慶弔休暇(結婚休暇)との接続も年次休暇の範囲内であれば可能

慶弔休暇

結婚休暇

 

 

結婚休暇の範囲内であれば届出のみ

その他

 

 

届出による。(慶弔休暇及び旅行日数の範囲内)

画像

画像

画像画像画像画像

都立学校職員の海外旅行について

平成12年3月31日 教人職第912号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
人事部職員課
沿革情報
平成12年3月31日 教人職第912号
平成15年4月22日 教人職第60号
平成17年8月19日 教人職第841号
平成18年3月31日 教人職第2347号
平成20年3月31日 教人職第2671号
令和3年3月19日 教人職第2970号
令和5年3月29日 教人職第3374号