○東京都立学校の管理運営に関する規則の一部改正について

平成15年3月25日

14教学高第1648号

都立学校長

このたび「東京都立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則」(平成15年東京都教育委員会規則第24号)が別添のとおり制定され、平成15年4月1日付けで公布施行されるので通知する。

今回の東京都立学校の管理運営に関する規則(昭和35年東京都教育委員会規則第8号。以下「規則」という。)の改正は、都教育委員会の基本方針の一つである「都民の教育参加」と「学校経営の改革」の推進を図り、都民に信頼される学校経営の確立を目指して、都立高等学校、都立盲学校、都立ろう学校及び都立養護学校(以下「都立学校」という。)の学校経営と運営組織について、これまで通達及び通知等により実施されている事項も含め、体系的に規定整備を図ったものである。ただし、主幹に関する規定については平成14年2月27日に改正され、平成15年4月1日施行するものである。

また、その他の改正点として平成15年度実施の施策等について規則の整備が必要な事項を改正したので、あわせて通知する。

ついては、貴職において規則及び本通達に基づき、適正な処理を願いたい。

なお、今回の改正事項は都立高等専門学校には適用されないが、同時に通知するので学校運営の参考にされたい。

第1 主な改正点の改正趣旨と解釈・運用について

1 「企画調整会議」に関する規定(第12条の6)

(1) 改正の趣旨

平成10年7月17日付けの規則の改正により、学校組織において「職員会議」が校長の補助機関であることを確認的に明記したが、一方で、学校運営を円滑かつ効果的に推進していくためには、校長の方針に基づき学校全体の具体的な業務や企画等を各分掌間で連絡調整を行いながら、組織的、機動的に学校運営を推進していく組織が必要である。

企画調整会議は、そのような学校組織として、既に平成10年10月16日付10教学高第578号教育長通達「『管理運営規程』の策定について(通達)(以下「運営規程通達」という。)により学校組織として位置づけ、運営が行われてきたところである。

今回、都立学校の運営組織を体系的に規定整備するに当り、企画調整会議が都立学校における校長の補助機関であり、学校運営の中枢的な組織であることを明確に位置付けるために、規定したものである。

(2) 解釈及び運用方針

学校が組織的に力を合わせて学習指導、生活指導、進路指導等を行うために、企画調整会議を各校に必ず置くこととした。

(ア) 企画調整会議は校長の補助機関であることを明示した。

(イ) 学校運営における最終決定は校長の責任において行うものであり、企画調整会議は学校運営における最良の方策を円滑に導くための調整機関であることを規定した。

(ア) 企画調整会議の構成員は、校長、教頭、事務(室)長、主幹その他校長が必要と認めた者とする。特に主幹がさまざまな教育活動の企画立案や各分掌間の連絡調整等、企画調整会議において重要な役割を果たすよう、会議運営を工夫するよう努めること。

(イ) これまで、運営規程通達の標準規程においては、校長以下、各主任及び事務室各係長までを構成員としていたが、改正後の規則においては、主幹までを明示し、その他の職員は校長の判断により、構成員とできるようにしたものである。

企画調整会議の運営に必要な基本的な事項は、学校の管理運営規程により定めることとする。

なお、校長は、企画調整会議が円滑な学校運営や課題解決に資するよう、必要に応じ会議運営に関する諸事項を定めるものとする。

2 「学校運営連絡協議会」に関する規定(第12条の8)

(1) 改正の趣旨

学校運営連絡協議会は、平成13年度より全校に導入したところである。

今回の改正は、学校における学校運営連絡協議会の設置を規則に規定し明確化することにより、保護者や地域住民等都民の教育参加の仕組みを規則として確立し、開かれた学校づくりをより一層推進することを目的としている。

また、学校経営計画の導入に合わせ、学校運営連絡協議会による外部評価を都立学校の運営や教育活動の改善に生かすため、学校のマネジメント強化をあわせて図っていくものである。

国は、平成12年4月、学校教育法施行規則の改正により学校評議員を制度化しているが、都においては学校評議員制度の類似制度として、国の制度化に先立ち、都独自の形態により実施してきており、今回の改正により国の規則に準拠する規定整備がなされたこととなる。

(2) 解釈及び運用方針

学校運営連絡協議会を各校に必ず設置することを明示した。

学校運営連絡協議会の運営に必要な具体的な手続については、既に都教育委員会からの通知により実施しているところであり、今後も適正な処理を願いたい。

3 「管理運営規程」に関する規定(第12条の9)

(1) 改正の趣旨

管理運営規程は、運営規程通達により都立学校において策定するものとされ、各都立学校はそれぞれの管理運営規程に基づき、校内分掌と校内規定を整備しているところである。

改正後の規則においては、都立学校運営に必要な基本的な組織を定めたところであるが、この基本的な組織も含め、学校の運営体制を明示するのが管理運営規程であり、管理運営規程は、学校がどのような組織で運営されているかについて、都民への説明責任を果たしていくためにも必要なものである。

今回、規則により都立学校において管理運営規程を整備しなければならないことを定めたので、今後とも適正な学校運営に努められたい。

(2) 解釈及び運用方針

管理運営規程については、運営規程通達により各校で整備してきたところであるが、今回主幹制の導入等により各校で改正が必要である。改正手続等については別途通知をする予定であり、それにより整備されたい。

4 「学校経営計画」に関する規定(第12条の10)

(1) 改正の趣旨

学校の自律的改革を推進するために、計画を立て、実施し、評価を行い、改善を図るマネジメントサイクルの仕組みを導入する必要がある。このため、すべての都立学校で、中・長期的視点から目指す学校像を明らかにし、当該年度における学習指導、生活指導、進路指導、学校運営等の教育活動の目標と、これを達成するための具体的方策及び数値目標を示した学校経営計画を策定するものとした。

学校経営計画は、各学校のホームページなどにより都民に広く公開し、説明責任を果たすとともに、生徒・児童等の進路選択や開かれた学校づくりに寄与するものとする。

なお、国においては、平成14年4月1日施行の小学校、中学校及び高等学校の設置基準において、学校の「自己評価等及び情報の積極的な提供に関する規定」の整備がなされた。都においては、学校の自己評価及び公表をより効果的に行うため、マネジメントサイクルの仕組みを導入するものである。

(2) 解釈及び運用方針

学校経営計画の策定者は校長であり、校長の責任において策定、公表し、マネジメントを行うものである。校長のリーダーシップの下、教職員の力を結集し、組織的で計画的な学校経営が行われなければならない。

なお、学校経営計画は人事考課制度における組織目標となるものである。

(ア) 学校経営計画の評価主体は校長であり、校長の責任において評価及び公表を行うものである。

(イ) 校長は目標の達成状況や成果を検証・分析するとともに、学校運営連絡協議会に計画の内容、実施状況、結果及び改善策を説明し、その外部評価を受けながら本評価を行っていくことが必要である。

学校経営計画とその実施結果については、都教育委員会へ報告するものとする。今後、都教育委員会では、学校経営の取組や成果の情報を蓄積し、広く学校経営の資料として活用する予定である。

学校経営計画の策定手続等は別に定める「学校経営計画策定要領」によること。

(3) 学校経営計画と自律経営推進予算制度

平成15年度から導入される「自律経営推進予算制度」は、学校経営計画を予算面に反映させるための制度であり、この予算制度を充分に活用し、学校経営に当たること。

なお、自律経営推進予算の編成、執行については「都立学校自律経営推進予算実施要綱」(平成15年1月6日付14教学高第1194号)及び東京都立学校の予算編成等に係る規程(平成10年10月16日付10教学高第579号)に基づき適正な処理を行うこと。

第2 主幹について(第10条の2)

平成15年4月1日から、東京都教育委員会が有する学校の組織編制権に基づき、都立学校に主幹を設置する。

これは、変化の激しい社会情勢の中で、様々な教育課題に対し、学校が組織として迅速かつ的確に対応できる体制を整えることを目的とするものである。

貴職におかれては、制度の趣旨を十分に理解した上で、主幹のみならず主任、各教職員の力を結集して、都民、保護者及び生徒の信頼を得ることができる学校運営を行うよう努められたい。

なお、主幹が兼務する主任及び担当する校務等に関しては、「主幹職が兼務する主任及び担当する校務の範囲等に関する基準」(平成14年10月18日付10教人勤第110号)に基づき適正に処理願いたい。

第3 その他の改正点について

1 連携型高等学校に関する規定(第14条の3)

既存の都立高校と区市町村立中学校間で教育課程の編成や教員・生徒間交流等の連携を深める形で行う連携型中高一貫教育について、連携型高等学校名及びこれに対応する連携型中学校名を別表で明示した。

また、連携型高等学校の校長は、教育課程の編成に当っては、あらかじめ、連携型中学校の校長と協議をするものとした。

2 盲・ろう・養護学校への準用規定(第38条)

規則第4条第2項では、高等学校においては「校長の申出により前期及び後期の二学期とすることがある。」と規定されている。改正前の規則においては、この規定は盲・ろう・養護学校には準用されないこととなっていたが、これを準用するものとした。

これは、平成14年度完全学校週五日制の実施により、盲・ろう・養護学校でも授業時数の確保の必要性があることを考慮し準用するものである。ただし、原則は三学期制であるので、例外として二学期制を導入する際には、教育庁の担当部課と十分な協議を行うこと。

東京都立学校の管理運営に関する規則の一部改正について

平成15年3月25日 教学高第1648号

(平成15年3月25日施行)

体系情報
都立学校教育部高等学校教育課
沿革情報
平成15年3月25日 教学高第1648号