○中学校における適正な進路指導の推進について

平成14年12月10日

14教指義第355号

区市町村教育委員会教育長

多摩教育事務所長

多摩教育事務所西多摩支所長

教育庁出張所長

貴職におかれましては、「高等学校の入学者選抜について」(平成5年2月22日付文初高第243号)及び「中学校における進路指導について」(平成5年6月30日付5教指管第226号)の通知をもとに、「業者テスト」の偏差値に依存しない適正な進路指導の推進に御尽力をいただいております。

また、東京都教育委員会では、文部科学省初等中等教育局長通知「中学校生徒指導要録の改善等について」(平成13年4月27日付13文科初第193号)を受け、「東京都公立中学校生徒指導要録の改善について」(平成13年6月20日付13教指初第66号)の通知において、生徒一人一人に基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る観点などから、各教科の評定は学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を評価することに改めることなどを通知したところです。

つきましては、貴管下中学校においては、下記の点に十分留意し、評価の信頼性を高めるなどして適正な進路指導の一層の推進を図るよう、特段の御配慮をお願いします。

1 進路指導についての基本的な考え方

中学校における進路指導は、自己をかけがえのない存在として意識させるとともに、自己を見つめ、自己の生き方について学ばせることが大切である。このため、次の点を踏まえ、進路指導を適正に進めていくことが重要である。

(1) 生徒が自らの生き方について考え、主体的に進路を選択することができるよう指導する。

(2) 進路の選択に関する指導は、生徒の能力・適性や進路希望等に基づいて行う。

(3) 進路の選択に当たっての教師の役割は、生徒に対して助言・援助する立場にあるという基本的な認識をもって指導することである。

2 適正な進路指導を推進するに当たっての重点

進路指導を推進していくに当たっては、生徒が自らの生き方を考え、主体的に進路を選択できるよう学校の教育活動全体を通じ、効果的に進路指導を行うことが重要である。このため、次の点に重点を置いて中学校の進路指導の充実に努めていくことが大切である。

(1) 進路指導についての教員の共通理解を深め、全校的な指導体制を一層充実し、3年間を見通して、組織的、計画的、継続的な指導の推進に努める。

(2) 進路指導を通して、生徒一人一人が自己理解を深め、将来にわたる生き方を考え、主体的に進路を選択する能力と望ましい勤労観、職業観を身に付け、生きがいをもって意欲的に生活していこうとする態度の育成に努める。

(3) 生徒の基礎学力を高め、学習意欲を喚起し、思考力・表現力等を育てるための指導内容、指導方法の工夫改善を行うなど、学習指導の一層の充実に努める。

3 「業者テスト」等による偏差値に依存しない進路指導の推進

現在、都内の高等学校の入学者選抜は、中学校が提供する適切な資料に基づいて行われており、中学校及び生徒、保護者等から、業者テストによる偏差値等を求めないこととしている。

よって、次の点について今後も徹底する。

(1) 各中学校は、偏差値に依存した進路指導は行わない。

(2) 各中学校は、業者テストの実施に一切関与しない。

(3) 各中学校は、業者等が行うテストの結果を高等学校に一切提供しない。

【参考】

(1) 高等学校の入学者選抜について(通知) 文部事務次官通知(文初高第243号 H5.2.22)

(2) 中学校における進路指導について(通知) 東京都教育委員会教育長通知(5教指管第226号 H5.6.30)

(3) 中学校学習指導要領 文部省告示(H10.12)

(4) 児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について 教育課程審議会(H12.12.4)

(5) 中学校生徒指導要録の改善等について(通知) 文部科学省初等中等教育局長通知(13文科初第193号 H13.4.27)

(6) 東京都公立中学校生徒指導要録の様式及び取扱い 東京都教育委員会(H13.6.20)

(7) 評価規準の作成、評価方法の工夫改善のための参考資料―評価規準、評価方法等の研究開発(報告)― 国立教育政策研究所教育課程研究センター(H14.2.28)

(8) 観点別学習状況の評価及び評定の在り方(中学校編) 東京都教育庁指導部中学校教育指導課(H14.2.28)

(9) 東京私立中学高等学校協会による「到達度診断テスト」に対する東京都教育委員会の見解 東京都教育委員会(H14.6.13)

中学校における適正な進路指導の推進について

平成14年12月10日 教指義第355号

(平成14年12月10日施行)

体系情報
指導部義務教育指導課
沿革情報
平成14年12月10日 教指義第355号