都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の評定状況の調査結果について
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教育庁
東京都教育委員会は、学習指導要領の目標に準拠した評価の客観性・信頼性を確保するため、都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の評定状況の調査を、目標に準拠した評価が導入された平成14年度より実施しています。本年度についても、都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の評定状況の調査を実施し、調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
なお、東京都立高等学校入学者選抜で活用した評定は、今回調査した都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)のものです。
1 目的
都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の学習指導要領の目標に準拠した評価による評定状況について調査を行い、評定の客観性・信頼性の確保に役立てる。
2 調査内容
都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の各教科の評定状況
3 調査対象
都内公立中学校等 623校(中等教育学校、義務教育学校を含む。)
4 調査結果
(1) 各教科の評定分布状況
(右)評定 (下)教科 |
5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
---|---|---|---|---|---|---|
国語 | 2 | 12.1 | 25.1 | 48.3 | 11.6 | 3.0 |
31 | 11.7 | 25.3 | 48.4 | 11.7 | 2.9 | |
社会 | 2 | 14.0 | 23.6 | 44.5 | 14.4 | 3.4 |
31 | 14.0 | 23.5 | 44.8 | 14.3 | 3.4 | |
数学 | 2 | 13.4 | 22.6 | 44.8 | 14.9 | 4.4 |
31 | 13.3 | 22.9 | 45.2 | 14.6 | 4.0 | |
理科 | 2 | 12.7 | 23.6 | 47.0 | 13.4 | 3.4 |
31 | 12.4 | 23.3 | 47.8 | 13.3 | 3.2 | |
音楽 | 2 | 12.3 | 26.3 | 49.7 | 9.0 | 2.6 |
31 | 12.6 | 26.4 | 49.5 | 8.9 | 2.6 | |
美術 | 2 | 11.3 | 27.0 | 50.6 | 8.5 | 2.5 |
31 | 11.1 | 27.4 | 50.7 | 8.4 | 2.5 | |
保健体育 | 2 | 9.0 | 27.5 | 53.4 | 7.5 | 2.5 |
31 | 9.3 | 27.8 | 53.0 | 7.6 | 2.4 | |
技術・家庭 | 2 | 10.6 | 26.7 | 50.9 | 9.4 | 2.5 |
31 | 10.3 | 26.6 | 51.6 | 9.1 | 2.4 | |
外国語(英語) | 2 | 14.6 | 21.8 | 43.3 | 16.3 | 4.0 |
31 | 14.6 | 22.2 | 43.1 | 16.2 | 3.9 | |
9教科全体 | 2 | 12.2 | 24.9 | 48.1 | 11.7 | 3.1 |
31 | 12.1 | 25.0 | 48.2 | 11.6 | 3.0 |
注 1.上段は令和2年度選抜、下段は平成31年度選抜の調査結果である。
2.四捨五入の処理により、合計が必ずしも100.0%にはならない場合がある。
3.中学校等別教科別の評定状況については、「中学校等別評定割合」(個表)を参照のこと。
4.上表についてのグラフは、別紙に掲載している。
(2) 今年度の調査結果の概要(参考資料1を参照)
- ア 「5」の評定の割合は、外国語(英語)、社会、数学の順に高く、「5」と「4」の評定の割合の合計は、全ての教科で36~39%となっている。
- イ 「3」の評定の割合は、保健体育、技術・家庭、美術の順に高く、いずれも50%を超えており、全ての教科で43~54%となっている。
- ウ 「1」の評定の割合は、数学、外国語(英語)、社会及び理科の順に高く、「2」と「1」の評定の割合の合計は、外国語(英語)で20%を超えている。
(3) 前年度の調査結果との比較
ア 評定の状況(参考資料2を参照)
「5」の評定の割合は、国語、数学、理科、美術、技術・家庭は0.1~0.4ポイントの微増、社会、外国語(英語)は増減なしであるが、音楽、保健体育は0.3ポイントの微減である。「4」の評定の割合は、社会、理科、技術・家庭は0.1~0.3ポイントの微増であるが、その他の教科は0.1~0.4ポイントの微減である。「3」の評定の割合は、音楽、保健体育、外国語(英語)は0.2~0.4ポイントの微増であるが、理科は0.8ポイント、技術・家庭は0.7ポイント、国語、社会、数学、美術は0.1~0.4ポイントの微減である。「2」の評定の割合は、社会、数学、理科、音楽、美術、技術・家庭、外国語(英語)は0.1~0.3ポイントの微増であるが、国語と保健体育は0.1ポイントの微減である。「1」の評定の割合は、国語、数学、理科、保健体育、技術家庭、外国語(英語)は0.1~0.4ポイントの微増であるが、社会、音楽、美術は増減なしである。
9教科全体の評定の割合は、「5」と「2」と「1」がそれぞれ0.1ポイントの微増であるが、「4」と「3」がそれぞれ0.1ポイントの微減である。
イ 特異な評定状況を示す教科のある学校(参考資料3を参照)
- (ア)全教科にわたり、「1」の評定が付いていない学校は、前年度の0校から1校となった。
- (イ)「2」と「1」の評定が全くない教科のある学校は、前年度の1校から2校となった。
- (ウ)全教科にわたり、「5」の評定が付いていない学校、「5」と「4」の評定が全くない教科のある学校、「5」の評定の割合が50%以上の教科のある学校、「5」と「4」の評定の割合の合計が80%以上の教科のある学校、「1」の評定割合が50%以上の教科のある学校、「2」と「1」の評定の割合の合計が80%以上の教科のある学校については、いずれも該当校はなかった。
(4) 調査結果の総括
区市教育委員会等は、管下の各中学校等における評定分布状況を分析して課題を把握するとともに、その課題を踏まえた指導・助言を継続的に行っている。今回の調査では、特異な評定状況を示す教科のある学校が3校あった。区市教育委員会等からは、管下の全ての中学校等において、学習指導要領の目標や内容に基づいて評価計画、評価規準等を作成し、十分な評価資料を基に各教科の観点別学習状況の評価及び観点別学習状況の評価を総括した上で評定を行っているという報告を受けている。
このことから、本年度の入学者選抜において、成績一覧表及び調査書に記載されている目標に準拠した評価は、全体としてはおおむね適正に実施され、客観性・信頼性は確保されていると判断できる。
5 今後の取組
東京都教育委員会は、目標に準拠した評価が導入された平成14年度以来、適正で信頼される評価・評定に向けた取組を続けてきた。今後も評価・評定の客観性・信頼性を確保するとともに、生徒の学習到達度を的確に評価していくために、引き続き以下の取組を行う。
(1)東京都教育委員会における取組
- ア 成績一覧表の調査を継続して行い、目標に準拠した評価が適正に実施されているかについて検証する。
- イ 目標に準拠した評価の精度をより一層向上させるために、評定分布状況をグラフで確認できる資料などの提供を行うとともに、「適正で信頼される評価の推進に向けて」(東京都教育庁指導部、平成24年3月)を用いた研修会等を行う。
- ウ 公立中学校等全体が成績一覧表及び調査書を適正に作成できるように、各区市町村教育委員会等を通して指導・助言を行う。
(2)東京都教育委員会における各区市町村教育委員会等及び各中学校等に向けた支援
各区市町村教育委員会等が、評定分布状況をグラフで確認できる資料等により、管下の各中学校等における評定分布状況を分析して把握するとともに分布結果を踏まえ、指導と評価の計画、評定への総括の方法等の一層の充実・改善を図るために研修会を実施するなどの取組を通して指導・助言を行えるよう支援する。
各中学校等が、自校の評定分布状況を把握した上で、指導と評価に関する校内研究・研修を一層充実させ、評価に対する校内の共通理解を図るとともに、適切な評価規準の設定や観点別学習状況の評価の評定への具体的な総括の方法をより明確に示し、生徒・保護者への説明責任を果たせるよう支援する。