令和5年度「児童・生徒のインターネット利用状況調査」調査報告書の公開
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教育庁
東京都教育委員会では、表題の調査を実施し、結果をとりまとめましたのでお知らせいたします。
1 「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の概要
(1) 目的
インターネットの利用状況やトラブル被害を経験した都内公立学校児童・生徒の割合及びその内容、学校対応等の現状を明らかにし、情報教育行政を進める上での基礎資料とするとともに、有害情報から子供を守るための情報教育等の推進を図るためのものである。
(2) 調査対象校
区市町村立小学校 | 区市町村立中学校 | 都立中等教育学校 | 都立高等学校 | 都立特別支援学校 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
44校 | 26校 | 2校 | 15校 | 15校 | 102校 |
(3) 対象人数
〇児童・生徒
都内公立学校児童・生徒の約1% 約12,000人
〇調査対象校の管理職
(2)の調査対象校管理職 102人
※ 令和5年度調査より保護者対象の調査は廃止
(4) 調査方法
Webアンケート入力フォーム
(5) 調査内容
インターネットの利用状況及び利用目的等
(6) 調査期間
令和5年10月下旬から令和6年1月上旬まで
2 調査報告書全文の掲載ページ
情報教育ポータルサイト「とうきょうの情報教育」
3 調査結果の概要
※表内の網掛け部分は最も高い割合を示している。
(1) 家で一日のインターネットを利用して学習した時間の調査(児童・生徒)
■16ページ 一日のインターネットを利用した学習の時間(学校種別)
一日のインターネット利用時間(学習)の割合(%) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
①1時間程度 | ②2時間程度 | ③3時間程度 | ④4時間程度 | ⑤5時間程度 | ⑥6時間程度 | ⑦6時間を超える | ⑧しない・ほとんどしない | |
全体 | 33.4 | 8.5 | 2.9 | 1.2 | 0.7 | 0.6 | 1.2 | 51.5 |
小学校 | 32.8 | 8 | 2.9 | 1.3 | 0.8 | 0.7 | 1.1 | 52.3 |
中学校 | 39.2 | 9.3 | 3 | 0.7 | 0.4 | 0.2 | 0.5 | 46.8 |
高等学校 | 32.1 | 9.2 | 2.9 | 1.4 | 0.6 | 0.5 | 1.8 | 51.5 |
特別支援学校 | 21.7 | 8.6 | 2.9 | 2.2 | 1.3 | 0.7 | 3 | 59.6 |
家で学習のためにインターネットを利用する時間について、「しない・ほとんどしない」を除くと、「1時間程度」が最も多く33.4%となった。昨年度の調査結果と比べると中学校、高等学校の「2時間程度」の回答の割合が増加した。
■18ページ 「インターネットを使用した学習の内容(学校種別)」【新規項目】
学校種 | ①宿題 | ②予習・復習 | ③動画視聴 | ④調べ学習 | ⑤友達との共同編集 | ⑥その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 53.3 | 37 | 38.3 | 48.8 | 9.6 | 5.7 |
小学校 | 53.4 | 34.6 | 27.9 | 40.9 | 9.5 | 6.5 |
中学校 | 57.2 | 44.4 | 50.2 | 62.1 | 10.7 | 4.2 |
高等学校 | 52.6 | 40.2 | 62.2 | 62.7 | 7.9 | 3.3 |
特別支援学校 | 35.5 | 24.7 | 47.3 | 47.3 | 11.1 | 8.2 |
小学校では「宿題」、中学校・高等学校・特別支援学校では「調べ学習」の割合が高い。
また、中学校・高等学校・特別支援学校は「動画視聴」の割合も高い。
(2) 生成AIの利用状況(児童・生徒)
■20ページ 「生成AIの利用状況(学校種別)」【新規項目】
学校種 | 生成AIの利用状況の割合(%) | |
---|---|---|
①使ったことがある | ②使ったことがない | |
全体 | 14.7 | 85.3 |
小学校 | 11.7 | 88.3 |
中学校 | 19.6 | 80.4 |
高等学校 | 21.7 | 78.3 |
特別支援学校 | 13.3 | 86.7 |
中学校・高等学校で約20%の生徒が「使ったことがある」と回答した。
(3)ゲームに関する調査(児童・生徒)
■30ページ 「ゲームでの課金の有無(学校種別)」
学校種 | ゲームでの課金の有無の割合(%) | |
---|---|---|
①ある | ②ない | |
全体 | 27.4 | 72.6 |
小学校 | 22.4 | 77.6 |
中学校 | 33.7 | 66.3 |
高等学校 | 41.2 | 58.8 |
特別支援学校 | 26.8 | 73.2 |
27.4%の児童・生徒が課金の経験有と回答した。昨年度の結果と比べると、中学校・高等学校・特別支援学校で増加傾向にある。
■32ページ 「ゲームでの課金金額(学校種別)」
※調査対象期間は4月から11月までの約8か月間である
学校種 | ゲームでの課金金額の割合(%) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
①999円以下 | ②1,000円~2,999円 | ③3,000円~4,999円 | ④5,000円~9,999円 | ⑤10,000円~49,999円 | ⑥50,000円~99,999円 | ⑦10万円以上 | ⑧課金していない | |
全体 | 18.3 | 21.1 | 12.2 | 11.3 | 11.7 | 3.4 | 3.3 | 18.8 |
小学校 | 23.4 | 24.7 | 13 | 10.8 | 6.8 | 2.7 | 2.2 | 16.3 |
中学校 | 14.1 | 18 | 12.7 | 11 | 14.4 | 3.2 | 2.5 | 24.1 |
高等学校 | 10.9 | 16.2 | 10.9 | 13 | 19.6 | 5.3 | 7.2 | 16.7 |
特別支援学校 | 16.8 | 19.5 | 6.5 | 10.8 | 16.2 | 3.8 | 2.7 | 23.8 |
※回答割合は小点第2位を四捨五入しているため、内訳合計が100%にならない場合がある。
10,000円以上の課金をした高等学校生徒の割合は32.1%であった。昨年度の結果(27.0%)と比べると課金金額が増加傾向にある。
(4)インターネット利用時のトラブルや嫌な思いに関する調査(児童・生徒)
■50ページ「インターネット利用時のトラブルや嫌な思い(学校種別)」
学校種 | インターネット利用時のトラブルや嫌な思いの経験の有無の割合(%) | |
---|---|---|
①ある | ②ない | |
全体 | 7.6 | 92.4 |
小学校 | 7 | 93 |
中学校 | 7.4 | 92.6 |
高等学校 | 9.2 | 90.8 |
特別支援学校 | 10.6 | 89.4 |
一定数の児童・生徒が嫌な思いが「ある」と回答。昨年度の結果(7.7%)と比較し、同水準の割合であった。
■52ページ「トラブルや嫌な思いをした経験の内容(学校種別)」(複数回答可)
学校種 | トラブルや嫌な思いをした経験の内容の割合(%) | |||
---|---|---|---|---|
①メールやSNSに書き込んだ文章が原因で友だちとけんかになった | ②グループ内や、誰もが見られるところで、自分の悪口や個人情報を書かれた | ③無料通話アプリなどのグループで仲間外れにされたり、勝手に退会させられたりした | ④その他 | |
全体 | 47.5 | 26.5 | 19.5 | 23.2 |
小学校 | 41.6 | 24.3 | 20.5 | 26.5 |
中学校 | 53.9 | 27.5 | 15.2 | 21.9 |
高等学校 | 56.8 | 30.2 | 18 | 18.7 |
特別支援学校 | 54.8 | 31.5 | 26 | 12.3 |
※複数回答のため、回答割合の合計が100%を超えた数値となる。
内容として「メールやSNSに書き込んだ文章が原因で友達とけんかになった」の回答が多く、昨年度の結果と比較し全校種で約20%の増加となった。
■54ページ「トラブルを受けての対応(学校種別)」(複数回答可)
学校種 | トラブルを受けての対応の割合(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
①がまんした | ②家族に相談した | ③学校・先生に相談した | ④警察に相談した | ⑤専門の相談窓口に電話した | ⑥その他 | |
全体 | 61.7 | 29.6 | 17.2 | 6.1 | 4.4 | 10.6 |
小学校 | 61.2 | 33.3 | 14.3 | 6.8 | 5.2 | 8.6 |
中学校 | 68.5 | 23 | 15.7 | 5.6 | 2.2 | 12.4 |
高等学校 | 61.9 | 20.9 | 17.3 | 5.8 | 3.6 | 16.5 |
特別支援学校 | 47.9 | 37 | 41.1 | 2.7 | 5.5 | 8.2 |
※複数回答のため、回答割合の合計が100%を超えた数値となる。
トラブルを受けた際、「がまんした」と回答した割合が高い。昨年度の結果と比較し、全校種で増加しており、全体でも増加した。(昨年度46.6%)
4 まとめ
東京都教育委員会では、一人1台の学習者用端末の日常的な活用に向けて、児童・生徒の情報活用能力を育成するため、情報教育ポータルサイト「とうきょうの情報教育」に補助教材「GIGAワークブックとうきょう」や「考えよう!デジタルリテラシーについて」などを公開し、学校現場での効果的な活用に向けて引き続き取り組んでいく。
また、平成27年度から実施している「SNS東京ルール」の取組を継続するとともに、学校に対し「SNS学校ルール」の作成・見直しについて依頼していく。
参考資料
GIGAワークブックとうきょう
これまで学校で活用してきた補助教材「SNS東京ノート」を一人1台端末時代の教育現場に合わせ、情報活用の教材を追加し、アップデートした教材です。
- 「ビギナー版」(対象:小学校1・2・3年生)
- 「スタンダード版」(対象:小学校4・5・6年生)
- 「アドバンスド版」(対象:中学生・高校生)
考えよう!デジタルリテラシーについて
スマートフォン・タブレット端末等の使用において実際に起きている事例について知識を得ながら、自らが考え、議論することで、インターネットを使いこなす力を身につけることを目的とする教材です。