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チーム・メディカル(医学部進学を目指すチーム)

更新日

1 チーム・メディカルとは

医学部への進学を希望する生徒同士で互いに切磋琢磨せっさたくまし支え合うチームを結成し、希望の実現に向けて取り組むものです。

小論文・面接指導などの総合的な進路指導のほか、病院の職場見学や医療関係者との交流、医学部の大学教授による模擬授業など、医療への理解を深め、医師になる志を育む3年間一貫した育成プログラムを実施します。

生命を預かる医師としての倫理観や使命感、社会的責任に対する自覚を育み、高い志を持って医学部に進学し、将来医師として社会貢献できる人材の育成を目指していきます。

2 指定校

東京都立戸山高等学校

《東京都立戸山高等学校》

明治21年(1888年)創立。
平成29年に創立130周年という節目の年を迎える。

「輝かしい歴史と伝統を受け継ぎ、国際社会に貢献するトップリーダーの育成を目指す学校」をミッションとして掲げている。

平成13年9月、進学指導重点校に指定。

平成16年度に、都立高等学校として初めて文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールに指定されている。

3 開始日

平成28年4月1日

4 取組内容

  • 最先端医療に関する講演会
  • 医学部や病院等への見学・体験活動
  • 医療関係者との交流・模擬授業
  • 小論文指導、面接指導

最先端医療等に関する講演会

現役の医師・医学研究者によるキャリア講演会や最先端医療に関する講演会を実施しています。

令和7年11月18日に開催された東京女子医科大学の講演会では、医学部のカリキュラムやAIと多様性を生かした未来の医療についてご講演いただきました。建学の精神を基盤とした統合カリキュラムやAIとの分業、医療人としての倫理、女性医師のキャリア形成など、幅広い視点で医療人育成の重要性が語られました。外科医としての体力向上や育児との両立、AI技術の進歩による医療現場の変化、AIと医師の役割分担について具体的な事例を交えた実践的なお話でした。


 

生徒の感想

 講演を受講して、医療現場におけるAIの活用が進む一方で、最終的な判断や患者さんへの共感は医師にしかできないという点が強調されていたことが印象的でした。また、女性医師のワークライフバランスや、日々の疑問を探究し続ける姿勢の大切さについても深く考えさせられました。
AIは医師の仕事を補助する存在であり、医師が主体的に活用することで、より質の高い医療が提供できると感じました。今回の講演を通じて、医師としての責任の重さと、常に学び続ける姿勢の重要性を再認識し、今後の学びや将来の進路選択に生かしていきたいと思いました。

医学部や病院等の見学・体験実習

東京女子医科大学医学部での体験実習の様子

病院内の案内や、医師の生活をお話いただいた後で、医学部3年生で行う内容の模擬授業を受講しました。内視鏡の操作実習や手術器具を使った模擬体験(糸しばり)なども体験することができました。

生徒の感想

思っていたよりも医学部は忙しいと感じたが、やはり人命にかかわる仕事に就くということは責任重大であり、努力を積み重ねなければならないと改めて感じました。また、糸しばりや内視鏡の体験を通して、医療現場で求められる技術の高さを感じました。糸しばりは一見シンプルに見えたが、実際にやってみると繊細な手の動きと集中力が必要で、日々の訓練の積み重ねの重要性を感じました。内視鏡の体験では、手元を見ないで画面だけを見る操作の難しさ、患者さんの負担を最小限にする工夫の大切さを学ぶことができました。

都立大塚病院での体験の様子

周産期部門、検査部門、手術部門を見学しました。周産期部門ではNICU(新生児集中治療室)などを見学し、実際に保育器に触れながら新生児の治療方法などの説明を受けました。

このほか、医師との意見交換会では、医師を目指した動機、医師の業務、診療科ごとの診療内容の違いなどについて直接お話を聞くことができました。

生徒の感想

NICUやGCU(新生児回復期治療室)を見学しました。そこでは、片手でも持ててしまうような小さい赤ちゃんを助けるために、医療従事者の方が真剣なまなざしでモニターなどの医療機器を操作していました。そしてそこでは、赤ちゃん一人一人の成長を支え、家族の不安にも優しく寄り添う「温かい医療」が実践されていました。そんな小さな命を懸命にささえる医療の現場を目の当たりにして、命の危険と隣り合わせにある厳しい現場でありながら、そこには単なる治療を超えた「人間らしいかかわり」があることを実感しました。また、手術室や放射線科、NICU、GCUなどの見学を通して、医師という仕事は一人ではなくほかの医師や、看護師、医療スタッフなどの多数の方々と共にチーム一丸となって協力し合いながら患者さんの治療や心のケア、患者さんの家族の心のケアをする姿がとても印象に残りました。

都立駒込病院での体験の様子

がんの診断と治療についてのケーススタディや、検査・手技模擬体験(採血・超音波検査・縫合シミュレーション等)、病院見学(通院治療センター、手術室、放射線治療室)、医師との懇談等を行いました。

生徒の感想

この実習では、私が思っていた以上に多くの体験をさせていただき、たくさんのことを学びました。最新の手術支援ロボットや機械、通院治療センターなど、本当に驚くことばかりでした。どこの診療科でも医師や看護師の姿は、患者の健康・そして命を一番に考える姿勢が強くにじみ出ていました。
「医師は本当にやりがいのある仕事だ」ということを何人もの医師の方が言っていました。大変で時には残酷で苦しい思いをする仕事であるにもかかわらず、医師の方々は本当に輝いていて、私自身以前よりもさらに医師になりたい、という願望が強くなりました。


 

 

都立広尾病院での体験の様子

医師の方々とヘリポート、救急外来、救命救急センター・手術室等を見学後、手術器具(手術支援ロボット、模擬縫合など)を体験しました。

生徒の感想

最も印象に残ったのは、やはり da Vinci(ダヴィンチ)(手術支援ロボット)体験です。私は今までダヴィンチについてほとんど知らなかったのですが、先生方の話を聞いて従来の開腹手術からダヴィンチの使用へと変化することで、患者さんの体へのダメージが軽減しているということがわかりました。また、ダヴィンチを使用することで患者さんと医師の間に機械が介入するので患者さんとの距離が遠くなってしまうが、心は寄り添っていなければいけないという先生の言葉にとても感銘を受けました。そして、実際にダヴィンチに触れたり、手術室や救命救急センターなどに足を運んで見学したりすることで、自分の中で「医師になりたい」という気持ちが確実に以前より強くなったのではないかと思います。

ご協力いただきました、各病院の皆様、心より感謝申し上げます。

 

記事ID:031-001-20240815-006888