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千代田区立中等教育学校に関する検討委員会報告書

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最終更新日:平成30年(2018)2月28日

1 検討委員会設置の経緯

東京都教育委員会では、平成14年5月22日に千代田区から提出された「都立高等学校の移譲について(要望)」を受けて、都立九段高校の千代田区への移譲についての検討を行い、6月27日に東京都教育委員会としての都立高校の移譲に関する基本的な考え方をまとめた。さらに、この基本的な考え方を踏まえて、7月11日に東京都教育委員会と千代田区教育委員会による協議会を設置し、10月22日までに6回の協議を重ね、「都立九段高校移譲のための条件」を定めた。

10月24日に開催された東京都教育委員会は、この移譲条件を妥当なものと判断し、九段高校の千代田区への移譲を決定した。決定に際して、「関係者の間で十分に協議して、新しい学校づくりについて共通の認識を深める」ようにとの教育委員長の発言があり、その趣旨を実現するため、東京都教育委員会は、東京都教育委員会、千代田区教育委員会、九段高校及び九段高校の同窓会関係者による「千代田区立中等教育学校に関する検討委員会」(平成14年12月18 日設置)を設置し、より具体的な移譲条件を検討することとなった。

検討委員会では、九段高校のPTA関係者との意見交換の場の設定も行いながら、平成15年3月18日まで計5回の委員会を開催して議論を重ね、九段高校の移譲に関する、より具体的な条件を定めた。

区立中等教育学校の設置に際して、東京都教育委員会及び千代田区教育委員会は、平成14年10月22日に定めた「都立九段高校移譲のための条件」及び、本検討委員会において定めた条件を遵守するものとする。

2 区立中等教育学校の学校像

新たに開校する中等教育学校では、千代田区における唯一の区立中等教育学校として、6年間一貫した継続教育を通じて、千代田区、ひいては東京や日本を担う人材を育成する学校づくりを目指す。

九段高校の文武両道の伝統・校風を継承し、進学実績の一層の向上を図る。6年間の計画的・継続的なカリキュラムの下、キャリア教育を徹底し、国際理解教育・大学との連携等、独自性を持った教育を実践する。

さらに、区民以外からも生徒を受け入れることにより、全都からの入学を可能とし、「活力ある生徒」という九段高校の生徒像を維持する。このため入学者については、千代田区民と区民以外の都民の比率は1:1を目途として生徒募集を行う。

3 検討委員会における検討の経緯

検討委員会では、以下の日程で委員会を開催し、検討を行った。

検討委員会における検討の経緯
平成14年12月18日
第1回検討委員会
・委員会の進め方
・移譲条件について
平成15年1月17日
第2回検討委員会
・都立九段高校PTAとの意見交換
・移譲条件について
2月10日
第3回検討委員会
・移譲条件について
3月10日
第4回検討委員会
・移譲条件について
・報告書(案)の検討
3月18日
第5回検討委員会
・報告書(案)の決定

※ 第1回から第4回検討委員会の議事要旨については別添資料参照

4 検討委員会において定めた移譲条件

検討委員会は、10月22日に定めた「都立九段高校移譲のための条件」に加えて、より具体的な条件を以下のように定めた。

(1) 学校設置に向けての準備体制の整備

  1. 千代田区は、平成15年度中に、学校運営の基本的な事項を検討する「学校評議会(仮称)」を設置する。「学校評議会」は、学識経験者、地域・企業関係者、同窓会の代表等を委員として構成する。
  2. 平成15年度に、東京都教育委員会、九段高校、千代田区教育委員会及び九段中学校による「基本計画検討委員会(仮称)」を設置する。「基本計画検討委員会」の事務局は千代田区教育委員会とする。
  3. 「基本計画検討委員会」は「学校評議会」の意向を踏まえ、九段高校の伝統・校風の継承・発展の方法、教育課程の基本的な考え方等について検討を行う。検討結果については、「学校評議会」に報告を行う。
  4. 「基本計画検討委員会」で検討された事項について、平成17年度までに、千代田区教育委員会に設置される開設準備担当の部署による開校準備を通じて、具体化する。

(2) 九段高校の伝統・校風の継承・発展

  1. 至大荘行事など伝統的学校行事について
    ア 至大荘行事など伝統的な学校行事は継承していく。具体的な継承方法などは、「基本計画検討委員会」において検討する。
    イ 「行事歌」等は継承する。
  2. 「校歌」「校旗」「校章」について
    ア 「校歌」については、九段高校の校歌を継承する。
    イ 「校旗」「校章」については、九段高校のものをベースとし、細部のデザイン等については、中等教育学校の趣旨を踏まえて、「基本計画検討委員会」において検討する。
  3. 同窓会の連続性について
    都立九段高校と区立中等教育学校の同窓会はつなげていく。九段中学校の同窓会との融合等については、それぞれの同窓会の間で協議していく。

(3) 進学実績

区立中等教育学校は、「都立九段高校移譲のための条件」に定めるキャリア教育や進学指導の充実等を通して、進学校としての伝統をもつ九段高校の、更なる進学実績の向上を図る。

(4) 入学者選考

  1. 「区民1:区民外1」の割合は生徒募集時に明記する。
  2. 区立小学校で区域外就学している児童は、区立中等教育学校の入学者選考の際には区民外の枠として取り扱う。

(5) 学校間の接続

  1. 区立中等教育学校の開校は平成18年度とする。
  2. 平成18年度開校時には、前年度九段中学校の1・2年に在籍した生徒を区立中等教育学校の2・3年に編入させることとする。編入により、九段高校の3学年と中等教育学校前期課程の3学年が併存することになり、主に以下のような利点が生じる。
    • ア 至大荘行事など伝統的な学校行事の継承を、より確実に図ることができる。
    • イ 中等教育学校の利点の一つである異年齢集団による活動が、開校初年度から可能になる。
  3. 九段高校は平成18年度まで募集を行い、平成19年度に募集を停止するため、18年4月入学者が最終学年となる。なお、九段高校の伝統の継承に必要な九段高校と九段中学校の学校交流などについても、「基本計画検討委員会」において検討する。

(6) 九段中学校との関係

 区立中等教育学校は九段高校を母体とし、前期課程については、九段中学校の教育実績に配慮する。

(7) 人事上の対応

  1. 東京都教育委員会は、区立中等教育学校のために人事上必要な支援に努める。
  2. 区立中等教育学校の人事管理は千代田区教育委員会が所管するが、採用事務・人事異動・研修等の人事上の具体的な事項については、引き続き東京都教育委員会と千代田区教育委員会において検討する。

(8) 東京都立中高一貫教育校との連携

  1. 平成15年度に、東京都立の中高一貫教育校の連絡調整等を図るための協議会を設置し、九段高校及び区立中等教育学校開設準備担当はこれに参加する。
  2. 区立中等教育学校の入学者選考については、都立中高一貫教育校と同様のPRに努める。

(9) 財産移管

九段高校の土地・建物の移管時期については、平成18年度の区立中等教育学校の開校時にあわせるものとする。なお、財産移管後の施設利用について、両校の教育活動に支障が生じないよう配慮する。

(10) その他

 区立中等教育学校の部活動の都レベルの大会参加等については、他の都立高校と同様に取り扱う。

<参考> 都立九段高校移譲のための条件

10月22日に「千代田区立中等教育学校に関する協議会」において定めた「都立九段高校移譲のための条件」は以下の通りである。

(1) 九段高校の伝統・校風の継承・発展

  1. 教養教育の充実を柱に、文武両道の九段高校の校風・伝統を継承する。
  2. 至大荘行事など伝統的学校行事については、これを尊重し継承する。
  3. 「九段」の校名は継承する。
  4. 「校歌」「校旗」「校章」についても、一定の継続性を保つ。
  5. 九段高校の同窓会と区立中等教育学校の同窓会の連続性を図る。

(2) 九段高校の進学実績の維持・発展

  1. 6年間の計画的・継続的なカリキュラムの下、キャリア教育を充実し、生徒の適性に応じた進路の実現を図る。
  2. コミュニケーション手段としての外国語教育を推進するなど、国際理解教育の充実を図る。
  3. 千代田区内の学校・企業・商工団体等と連携し、IT教育の充実を図る。
  4. 校外施設を活用した滞在型学習を通して、幅広い視野を持つ人材の育成を図る。
  5. 学問・研究への探究心を養うため、大学等との連携を通して、土曜講座等を実施する。
  6. 公開講座、部活動を通して、地域社会に開かれた学校の役割を担う。

(3) 「活力ある生徒」という九段高校の生徒像の維持

  1. 入学者については、千代田区民と区民以外の都民の比率は1:1を目途とする。
  2. 入学者の選考に際しては、面接・論文等により入学者の適性を検証する。
  3. 活力維持の観点から、一定の学級規模を確保する。基本的に都立の中等教育学校と同規模とし、一学年150名~160名、全校生徒900名~960名程度とする。

(4) 人事上の対応

  1. 採用は千代田区が行うが、教員確保等については、東京都教育委員会との連携を図る。
  2. 採用事務・人事異動・研修等(採用事務・研修の都への委託、都の教員との一定の交流枠設定等)に関しては、引き続き東京都教育委員会と調整し、実施方法を検討する。

(5) 移譲に向けての準備体制の整備

  1. 千代田区への移譲が決定した段階で、開設準備に着手する。
  2. 平成15年度早期に、教員を含む開設準備室を設置する。
  3. 千代田区への移譲が決定した以降、東京都教育委員会、九段高校、千代田区教育委員会、九段中学校による開設準備委員会(仮称)を設置し、九段高校の伝統・校風の継承・発展の方法、教育課程等についての検討を行う。

(6) 学校運営について

区立中等教育学校の学校運営については、同窓会等の代表者の意見の反映を図る。

(7) その他

  1. 学校間の接続
     東京都教育委員会は、九段高校と区立中等教育学校の接続が円滑に行えるよう、必要な支援を行う。両校の接続に際しては、九段高校の伝統・校風が継承されるように十分な配慮を行う。
  2. 教育内容
     東京都教育委員会は、区立中等教育学校の教育目標、教育方針の策定、教育課程の編成等に関して、千代田区に対して必要な支援を行う。
  3. 財産移管
     九段高校の敷地・建物については、原則として、有償で千代田区に移管する。減額等の措置については、必要に応じて、別途、東京都と千代田区の間で協議するものとする。
  4. 東京都立の中高一貫教育校との連携
     東京都が設置する中高一貫教育校との間で、教育課程の編成・入学者選抜等について、必要な情報交換等を行う。

お問い合わせ

教育庁都立学校教育部高等学校教育課都立高校改革推進担当
電話:03-5320-6749 ファクシミリ:03-5388-1727
メール:S9000011(at)section.metro.tokyo.jp
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