教育管理職等の任用・育成のあり方検討委員会 第2次報告
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東京都教育委員会は、東京都公立学校の教育管理職等の任用、育成のあり方を検討するため、平成19年8月に「教育管理職等の任用・育成のあり方検討委員会」を設置し、検討を重ねてきました。
平成19年12月には教育管理職及び指導主事の選考・育成制度について第一次報告として提言を行ったところです。今回は副校長・主幹教諭の育成及び職のあり方について、副校長・主幹教諭がその本来の職務・職責を果たし、教育改革に向けた学校の課題解決能力が一層向上するよう、具体的な改善策の提言を検討委員会の第2次報告として取りまとめましたので、お知らせします。
記
1 検討委員会報告書概要
2 検討委員会報告書
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第1章 職務をめぐる現状の問題点
副校長・主幹の職責
1 副校長職の魅力と現状
- 職務内容の不明確さ、多忙さによる職の魅力
- 現行の職務権限を適切に行使できない現状
2 主幹の職責遂行の現状
- 主幹への業務偏重
- 分掌の教員に仕事を割り振れない現状
副校長・主幹の職務実態
1 副校長・主幹の勤務状況
- 残業の常態化、週休日等の出勤
- 調査・報告事務、会議・打合せ
- 地域行事への対応(週休日)
- 授業の準備(小)、部活動指導(中高)
- 職務に対する多忙感と負担
- 大部分の副校長・主幹が多忙感
- 最も負担に感じているのは「仕事量」
2 校務偏重の要因
- 副校長・主幹に集中する校務
- 各分掌に分担できない業務
- ICT化の遅れによる非効率な事務処理
- 授業の代替(特に小学校副校長)
- 困難な講師の確保、事務手続の煩雑さ
- 主幹:授業時数の多さ(小)、会議の多さ(高)
- 保護者や地域とのかかわり
- 地域との連携にかかわる事務
- 週休日等の対応
- 学校で対応できない理不尽な要望等
- 校務分掌組織の問題
- 教員の校務に対する認識不足
- 主幹の職務に対する教員の理解不足
- 委員会の乱立、不効率な業務分担
- 分掌業務の細分化による組織の硬直化
副校長・主幹育成の現状
1 校内における育成の状況
- OJT体制の未整備
- 一部校長・副校長の育成に対する認識不足
2 副校長昇任時の育成
- 特に実務面で大きな負担
第2章 職務に関する課題
副校長・主幹教諭の職務や 権限の見直し
- 「学校教育法」改正に伴い、副校長の職務 権限の見直しが必要である。指導教諭のあ り方についても検討していく必要がある。
- 学校経営における副校長の関与のあり方について、検討していく必要がある。
- 主幹教諭の具体的な役割や担当校務の明 確化及びそれに対する理解の徹底を図る必要がある。
校務の縮減と効率化
- 調査・報告にかかわる事務について、実態を 把握した上で、可能な限り縮減を図る必要がある。
- 校内のICT化、講師任用等事務手続の改善 などを中心に、事務の効率化を図る必要があ る。
課題解決の具体的方策へ
- 学校組織や運営体制の見直し
- 円滑な学校運営を推進するために、校務分 掌組織を見直し再構築を図る必要がある。
- 副校長・主幹が職責を遂行する時間を確保 するために、人的支援が必要である。
学校を支える仕組みの構築
- 学校や地域の実態に応じたよりよい連携体 制の構築を図る方策を検討する必要がある。
- 学校で解決できない余りにも理不尽な要望 等への対応を支援し、負担軽減を図る取組を 検討する必要がある。
副校長・主幹教諭の人材育成の充実
- 人材育成のあり方についての具体的な方針を明確に示す必要がある。管理職候補者についても、計画的な育成のあり方を検討する必要がある。
- 管理職研修において、学校経営及び人材育成に関する研修の充実、副校長昇任時の研修の充実を図る必要がある。
- 主幹教諭研修については、組織運営や人材育成にかかわる実践的な研修を充実していく必要がある。
第3章 課題解決の具体的方策
○小・中学校 ●都立学校 ☆全校種 (*)最終報告に向けて検討する事項
【方策1】改正学校教育法に基づく副校長の職務権限の明確化
☆副校長が自らの権限・責任で、所属職員の服務を処理できるように規則改正実施。
【方策2】学校経営における副校長の役割の明確化(*)
☆学校経営計画の策定、教育課程の編成、校内人事、人事考課における副校長の関与のあり方の明確化。
校長が副校長に適切に職務を任せることが必要。
【方策3】副校長「執務マニュアル」の作成
【方策4】主幹教諭の職責に対する理解の徹底
☆主幹教諭の役割や担当校務を明確化。研修やOJTを通して管理職を含め理解徹底。
【方策5】指導教諭のあり方の検討(*)
☆指導教諭の設置に向け、その職務内容、任用規模、選考方法等について具体的に検討。
【方策6】 「プロジェクトチーム」設置による調査・報告事務の縮減(*)
☆教育庁、地教委等でPTを組織し、調査・報告事務の実態調査を行い、具体的な縮減策を検討。
【方策7】 ICT化の推進
●都立学校ICT化事業計画に基づいて事務の効率化を推進。
○区市町村に対し、ICT化の先進事例等を情報提供。
【方策8】 講師任用事務の改善
☆講師斡旋・任用支援システムの改善。
○区市町村へのシステム導入依頼。
☆時間講師の新規登録受付
【方策9】主任教諭・統括校長の任用
【方策10】校務分掌組織の再編・整備
☆学校運営を総合調整する新たな分掌の設置、委員会の分掌への編入など、校務分掌組織を再構築。校長のリーダーシップが必要。
【方策11】主幹教諭が所掌できる分掌の弾力化
【方策12】小中学校における学校事務職員の活用(*)
○事務職員を分掌組織に位置づけ、役割を明確化。職務を限定する慣行を打破。
【方策13】都立学校経営企画室の経営企画機能の充実(*)
●経営企画室による進行管理など各分掌との連携強化の方策を検討。教務事務、調査・報告事務等への積極的関与の方策を検討。
【方策14】新非常勤教員制度の活用
☆新非常勤教員を校務分掌や学校管理・運営補助にも積極的に活用。配置管理を徹底。
【方策15】主幹教諭の授業時数軽減
○小中における時数軽減の拡大。
【方策16】学校と地域とのよりよい連携体制(*)
☆授業の質向上や校務補助のため、地域の多様な人材を活用。
☆地域教育プラットホームの取組みを活用し、地域による学校支援体制を構築。
☆学校がかかわるべき地域行事を整理するとともに、校務への位置づけも視野に入れて指針を提示。
【方策17】学校への理不尽な要望等に対する対応支援(*)
☆本庁、支援センター、専門家などが連携した取組の検討。第三者機関活用の可能性を検討。
【方策18】教員人材育成基本方針の策定(*)
☆経験や職層に応じ身につけるべき力や、人材育成の仕組みを明確にした教員人材育成基本方針の策定。
【方策19】OJTの充実(*)
☆職層ごとのOJTガイドラインの策定。特に、採用から主任教諭選考受験までの若手教員の育成を重視。
☆校長による副校長育成の推進、校長業績評価への明確な位置づけなどの具体策を検討。
☆学校配置された管理職候補者育成の充実。
【方策20】職層ごとの研修の充実(*)
☆教諭・主任教諭・主幹教諭・管理職という任用体系に基づき、研修体系の再編整備。
☆管理職研修において、校長・副校長のパートナーシップや人材育成の責任を徹底。
☆教育管理職候補者研修では、副校長昇任を見据えた実務研修の充実。
☆主幹教諭研修では、組織運営と人材育成に関する研修を充実。管理職選考受験につながる研修実施を検討。
☆メンタルヘルス対策の充実。副校長が学校経営上の悩みを相談できる横のつながりを確保。