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東京都特別支援教育推進計画 第三次実施計画について

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最終更新日:平成22年(2010)11月11日

教育庁

東京都特別支援教育推進計画は、これからの都における特別支援教育の方向性について、全都的な視点に立って展望を明らかにする総合的な計画として平成16年11月に策定した長期計画です。

この計画は、知的な遅れのない発達障害を含む障害のある幼児・児童・生徒の教育に対する都民の期待にこたえ、都立特別支援学校が抱える課題の解決とともに、幼稚園、小学校及び中学校、区立特別支援学校、都立高等学校及び都立中等教育学校における特別支援教育の推進・充実を図るためのものです。

これまで、第一次実施計画、第二次実施計画を策定し、特別支援教育の充実に取り組んできましたが、今回、長期計画の締めくくりとなる第三次実施計画を策定しました。

1 計画の基本理念

発達障害を含む障害のある幼児・児童・生徒の一人一人の能力を最大限に伸長するため、乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し、社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きていける力を培い、共生社会の実現に寄与します。

2 計画期間の延長

(1)児童・生徒数の将来推計

第三次実施計画の策定に当たって、平成32年度までの「障害のある児童・生徒数の将来推計」を実施しました。その結果、平成32年度までの間に知的障害のある児童・生徒等

【障害のある児童・生徒数の将来推計(人)】
  障害種別 平成16年度 平成21年度 平成27年度
(推計値)
平成32年度
(推計値)
特別支援学校 視覚障害 265 262 277 282
聴覚障害 591 623 629 645
肢体不自由 1,974 2,102 2,169 2,219
知的障害 5,221 6,983 8,811 9,490
病弱 170 140 177 174
特別支援学級
小・中学校
情緒障害等
(通級指導学級)
1,831 4,647 8,017 8,804
知的障害
(固定学級)
4,855 7,140 8,582 8,942

* 特別支援学校には区立特別支援学校(知的障害特別支援学校1校、肢体不自由特別支援学校1校、病弱特別支援学校3校)を含む。

(2) 長期計画及び第三次実施計画の計画期間の見直し

「障害のある児童・生徒数の将来推計」の結果により、今後も知的障害特別支援学校や知的障害特別支援学級の在籍者の増加、情緒障害等通級指導学級の利用者の増加が見込まれます。こうした状況に適切に対応していくためには、相応の実施期間を要することから、長期計画である東京都特別支援教育推進計画の計画期間を当初の平成16年度から平成25年度の10年間から平成28年度までの13年間に延長することとしました。また、第三次実施計画の計画期間についても、平成23年度から平成28年度までの6年間としました。

なお、平成23年度以降の児童・生徒の推移を注視しながら、適宜必要な計画内容の見直しを図っていきます。

【東京都特別支援教育推進計画の計画区分】
計画の区分 計画期間(注) 計画の策定時期
第一次実施計画 平成16年度~平成19年度 平成16年11月策定
第二次実施計画 平成20年度~平成22年度 平成19年11月策定
第三次実施計画 平成23年度~平成28年度 平成22年11月策定

※ 都立特別支援学校の適正な規模と配置に関しては、上記実施計画期間中に計画に着手する。開校等は平成32年度までの計画継続期間内とする。

3 第三次実施計画の基本的な考え方

第三次実施計画は、特別支援教育のより一層の充実に期待する幼児・児童・生徒や保護者、都民のニーズにこたえるため、第一次・第二次実施計画の成果や課題、障害のある子供の教育をめぐる状況の変化、国や社会の動向等を踏まえた今日的な教育課題に適切に対応すべく、これからの都における特別支援教育推進の方向性と具体的取組を示すものです。

第三次実施計画は、東京都特別支援教育推進計画の基本理念を踏まえ、以下の3つの基本的な考え方に基づいて策定しています。

(1)すべての学校で実施する特別支援教育の推進

特別支援教育への転換により、発達障害を含め、特別な支援を要する幼児・児童・生徒が在籍するすべての学校で特別支援教育に取り組むことになりました。このため、特別支援学校だけでなく、すべての小・中学校及び高等学校等で専門的な教育を受けることができる教育環境の充実に努めます。

(2)つながりを大切にした特別支援教育の推進

特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒への支援に当たっては、幼児・児童・生徒の障害の種類と程度、成長段階に応じて、これまで以上に小・中学校・高等学校等、更に特別支援学校の間での連携を強化していくことが重要であり、そのための条件整備に努めます。

(3)自立と社会参加をめざす特別支援教育の推進

障害のある人々の自立と社会参加や共生社会の実現に向けて必要な知識・技能や働く意欲などを育てることは学校教育の使命です。このため、第一次・第二次実施計画の成果等を踏まえ、職業教育や進路指導・就労支援の充実に向けた教育環境の整備等、障害のある児童・生徒の将来の自立と社会参加に向けた取組を一層推進します。

4 第三次実施計画の主な取組内容

(1)都立特別支援学校における個に応じた指導と支援の充実

  • ア 自閉症の特性に応じた教育実践を通じて得られた知見をもとに、学習(校内)環境の整備や普通学級及び重度・重複学級への成果の普及に努めます。
  • イ 知的障害のある児童・生徒の教育内容・方法の充実を図るため、教科別の指導等の充実に向けた研究・開発、高等部普通科における教育課程の類型化の推進、障害が中・重度の生徒のキャリア教育・職業教育の充実などに努めます。
  • ウ 障害が重複する児童・生徒の教育内容・方法の充実を図るため、複数の障害教育部門を併置する学校を中心に、これまでの教育実践の成果検証も含めて教育課程の研究・開発を行います。
  • エ 都立肢体不自由特別支援学校に在籍する児童・生徒の障害の重度・重複化に適切に対応するため、外部専門家(理学療法士、作業療法士等)や外部人材(介護の専門家、看護師)の導入による教育内容・方法の充実を図ります。
  • オ 病気で入院している児童・生徒の学ぶ意欲にこたえるため、病院内教育の充実の方策について研究・開発を進めます。

(2)都立特別支援学校の適正な規模と配置

  • ア 都立知的障害特別支援学校の在籍者の増加に対応できるよう、都立特別支援学校の規模と配置の適正化を図ります。都立知的障害特別支援学校の再編整備を中心とした規模と配置の適正化に当たっては、都立高等学校の跡地の活用、新規の土地取得、都立肢体不自由特別支援学校等との教育部門の併置化、学部の改編、増改築の実施、通学区域の調整等の対応策を講じます。また、病弱特別支援学校である都立久留米特別支援学校の教育機能を都立光明特別支援学校に移転し、移転後の校地等は、知的障害特別支援学校として活用します。
【都立特別支援学校の配置計画の概要】
障害種別 平成16年度
(第一次実施
計画開始年度)
平成19年度
(第一次実施
計画終了年度)
平成22年度
(第二次実施
計画終了年度)
平成27年度
(第二次実施
計画整備終了)
平成32年度
(第三次実施
計画整備終了)
  都立特別支援学校 55校1分校 53校1分校 55校 58校 58校
視覚障害特別支援学校 4校 4校 3校 3校 3校
聴覚障害特別支援学校 8校 4校 4校 4校 3校
知的障害特別支援学校 28校1分校 30校1分校 30校 31校 31校
肢体不自由特別支援学校 12校 11校 11校 9校 5校
病弱特別支援学校 1校 1校 1校 1校 0校
併置校 視・知併置校     1校 1校 1校
聴・知併置校         1校
知・肢併置校 2校 3校 5校 9校 10校
知・病併置校         1校
肢・病併置校         3校
  • イ 都立特別支援学校で学ぶ幼児・児童・生徒のニーズに適切に対応できるよう、聴覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する学校の設置、病弱教育の再編などを進めます。
  • ウ 寄宿舎については、島しょ地区に在住などの通学困難な児童・生徒に対する就学保障の場として配置の適正化を図り、第一次実施計画策定時に11舎あった寄宿舎を5舎に再編します。

(3)区市町村における特別支援教育推進体制の整備

  • ア 小・中学校の通常の学級に在籍する発達障害の児童・生徒への支援を充実させるため、すべての小・中学校に「特別支援教室」を設置する構想を進めます。
  • イ 自閉症・情緒障害特別支援学級(固定学級)の計画的な設置を推進し、通常の学級、特別支援教室、通級指導学級、固定学級の役割分担を明確にした「重層的な支援体制」を整備します。
  • ウ 都立特別支援学校のセンター的機能を活用し、地域の知的障害特別支援学級の教育内容・方法の充実を支援します。

(4)都立高等学校等における特別支援教育推進体制の整備

  • ア 都立高等学校等においては、チャレンジスクール等に特別な支援を要する生徒が相当数在籍していると推測されることから、そうした学校におけるモデル事業を通じて特別支援教育推進体制の在り方の検討を行うとともに、進路指導体制等の充実を図ります。
  • イ 都立高等学校における個に応じた指導を充実させるために、個別指導計画等に基づく指導・支援を充実させるとともに、特別支援教育コーディネーターの機能強化や進路指導体制の整備、心理の専門家等による相談支援体制の整備を進めます。

(5)特別支援教育を推進する教育諸条件及び支援体制の整備・充実

  • ア 特別支援教育を推進する専門性の高い人材を育成するため、人材の育成と確保のシステムの在り方について検討するとともに、教員の専門性の向上を図る研究・研修の充実、教員の人事交流の促進等を図ります。
  • イ 複数の障害教育部門を併置する学校の管理・運営の在り方の検討など、保護者や都民に信頼される都立特別支援学校の経営支援に努めます。
  • ウ 「エリア・ネットワーク」の機能強化、副籍制度の一層の充実、関係機関の連携による早期支援体制の整備、就労支援体制の整備、教育、福祉、医療、保健、労働との積極的な連携などを進めます。また、特別支援教育に関する理解啓発活動を一層充実します。
【参考 第三次実施計画策定までの経緯】
年月 内容
平成16年11月 東京都特別支援推進計画及び第一次実施計画策定
平成19年4月 学校教育法改正 特殊教育から「特別支援教育」へ転換
平成19年11月 第二次実施計画策定
平成22年7月 第三次実施計画案の骨子公表
平成22年7月~9月 パブリックコメント及び都民説明会の実施、関係団体への周知
平成22年11月 第三次実施計画策定

はじめに・目次PDF [15.7KB]

第一部 東京都特別支援教育推進計画の基本的な考え方
第1章 計画策定の背景PDF [29.5KB]
  1. 都における障害のある子供への教育の歩み
  2. すべての学校における特別支援教育の充実
第2章 計画の性格PDF [31KB]
  1. 計画の基本理念
  2. 長期計画と実施計画
  3. 都及び区市町村の役割
第3章 第一次・第二次実施計画の取組状況PDF [297.4KB]
  1. 第一次・第二次実施計画の主な取組と評価
  2. 第一次・第二次実施計画に基づく都立特別支援学校設置状況
第4章 第三次実施計画の基本的な考え方PDF [37.1KB]
  1. 第三次実施計画策定の経緯
  2. 第三次実施計画策定の基本的な考え方
  3. 第三次実施計画の基本的な方向
  4. 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画の体系図
第二部 第三次実施計画の具体的な展開
第1章 都立特別支援学校における個に応じた指導と支援の充実PDF [61.3KB]
  1. 障害の種類と程度等に応じた教育内容の充実
  2. 自立と社会参加に向けた多様な進路希望にこたえる後期中等教育の充実
第2章 都立特別支援学校の適正な規模と配置PDF [61.3KB]
  1. 個に応じた新たなタイプの学校づくり
  2. 都立特別支援学校の適正な規模と配置
  3. 寄宿舎の適正な規模と配置
第3章 区市町村における特別支援教育推進体制の整備PDF [117.5KB]
  1. 小・中学校における発達障害の児童・生徒に対する新たな特別支援教育推進体制
  2. 特別支援学級の教育内容・方法の充実
  3. 区市町村における特別支援教育推進体制整備への支援
第4章 都立高等学校等における特別支援教育推進体制の整備PDF [34.6KB]
  1. 都立高等学校等における特別支援教育の推進
  2. 都立高等学校等における個に応じた指導の充実
第5章 特別支援教育を推進する教育諸条件及び支援体制の整備・充実PDF [124.7KB]
  1. 特別支援教育を推進する専門性の高い人材の育成
  2. 都民に信頼される都立特別支援学校の学校経営支援
  3. 教育、福祉、医療、保健、労働等との積極的な連携
  4. 都民の理解啓発の充実
参考図表PDF [148.7KB]
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お問い合わせ

教育庁都立学校教育部特別支援教育課特別支援教育企画担当
電話:03-5320-6762 ファクシミリ:03-5388-1728
メール:S9000012(at)section.metro.tokyo.jp
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